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八王子 教育

公開日:2018.08.16

「対話」大切に成長待つ
八王子市私立幼稚園協会 中村健会長

 幼稚園は小学校の準備期間ではない――が持論だ。園児たちに「今」を充実して過ごしてもらいたいんだよね、と。

 自身が理事長を務める中野上町にある、なかの幼稚園では、知識や技術を身につけることよりも「人との関係を豊かに築ける」力の育成に重きを置いた保育を進めている。

 なかでも重視するのが対話。喧嘩している園児の姿をみると、必ず双方にその経緯を問い、それぞれの気持ちを自身の言葉として語らせる。「自分の言葉で表現できるようになってもらいたいんです。それが人との関係を豊かに築く第一歩になると考えているので」

 大学は工学部を専攻。当初は幼児教育の道へ進むつもりはなかった。が、40年以上前、父親が運営していた、なかの幼稚園でバスの運転手として勤務し始めると心に変化があった。当時、幼児教育の第一人者であった大学の先生に「勧誘」されたのだ。「人を相手にする仕事は面白いよ」と。ただ当初は子どもがかわいいと思えなかったのだという。他の先生は「かわいいね」と言っているのに――。そう考え、子どもと接しているうちに気がついたのだという。対等に接していなかったのだと。同じ目線に立ってこそ、「愛おしいという気持ちがわいてくるんですよ」

 会長職の任期は1年を切った。課題と感じているのが、長時間保育。共働き家庭が増え、大人の勤務時間よりも長く、園で過ごす子どもたちの姿を見ることが増えた。

 「もっと親と過ごす時間をつくってあげたいと思うんですよね」と行政と改善への道を探っていきたい、と話す。65歳。最近は心理学に興味があるという。子どもたちの心をより「理解したいんだよ」

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