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公開日:2019.06.27
「処分場反対」から10年
上川町 30日に記念行事
市北西部の上川町にある里山で30日(日)、ウォーキングイベントが行われる。「町にとってまさに戦いだった」――。関係者がそう振り返る、町挙げての産業廃棄物処分場建設の反対運動からちょうど10年。里山に広がる緑は、町民の奮闘により「守られた自然」という。「残すことができた里山を、この機会に見てもらいたい」。イベントはそんな思いで企画された。
「残った」里山にて
「あのときから10年を迎えてのメモリアルイベントです」。主催するNPO法人街づくり上川の理事長、高野誠三さん(71)は「上川の里癒しの散歩道ウォーキング」の開催についてそう説明する。
2008年、長閑な町の広大な緑地に産業廃棄物最終処分場建設の計画が持ち上がった。「大切にしてきた緑がなくなってしまう。負の資産を残したくない」。当時上川町連合町会の会長だった秋山勝男さん(81)を中心に「ノーの意思」を示そうと組織が作られた。町会内で集会を繰り返し、住民の玄関先に掲げる短冊を配るなどもし、町全体で「断固反対」をアピールした。
行進でアピール
「今思えば、危険なことだったかもね」(秋山さん)。反対運動の中で大きかったのが、09年6月に実行した秋川街道でのデモ行進だ。
「全員の気持ちが『反対』で固まっていることを表したかった」と秋山さんは振り返る。もちろん町で初めてのこと。600世帯ほどある上川町で、およそ350人が参加。街道3Kmを1時間かけて歩いた。隣接する川口町からの応援もあった。「(産廃業者が)ここに入る余地はないんだよ、と。まさに戦いでしたね」
そして翌10年、建設の話はなくなった。11年、市が用地の一部を買い上げ。その後、町会で「里山を維持していく」体制を整えた。その流れをくみ昨年、この特別緑地保全地区を良好な状態で維持管理する同法人が発足。「ちょうど新しい時代にもなりましたし、守られて整備された里山を多くの人に見てもらいたい」(高野さん)と今回、反対運動から10年を機にメモリアルイベントが企画された。
イベントは午前10時から11時30分まで。小雨決行。参加無料となっている。
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