八王子 トップニュース社会
公開日:2026.02.19
祈り込め 遠きドイツへ
肥沼博士に捧げる千羽鶴
第二次世界大戦後のドイツで、自らの命を顧みず伝染病治療に尽力した八王子出身の医師・肥沼信次博士(1908〜46)。その命日の3月8日に合わせ、八王子からドイツへ感謝と平和への祈りを込めた千羽鶴が海を渡る。
肥沼博士は37歳の若さで帰らぬ人となり、ドイツのヴリーツェン市に眠る。現地では命日に毎年慰霊祭が開かれており、八王子の市民団体「Dr.肥沼の偉業を後世に伝える会」(塚本回子代表)は博士の墓前に供えてもらおうと、11年前から市民が折った千羽鶴を市役所を通じて現地へ送り続けている。
今年も塚本会長らが学生と2月12日に市役所を訪問し、市内小中学校の児童・生徒や高齢者施設の利用者らが折った約5000羽の折り鶴を初宿和夫市長に託した。
折り鶴には博士の母校である第三小学校をはじめ、ヴリーツェン市内の学校と姉妹校提携を結んでいる八王子学園八王子中学校・高等学校、博士の功績に感銘を受けた浅川中学校、四谷中学校の子どもたちや市民の思いが込められている。添えられたメッセージカードには「両市の友好を願い折った」「私も一人でも多くの人を笑顔にできるような仕事をしたい」などと、子どもたちによる博士への憧れや平和への願いが日本語とドイツ語で綴られている。
八王子学園ボランティア部は「日本の桜が見たい」と語り亡くなった肥沼博士の逸話と世界平和の懸け橋をイメージして、千羽鶴で「桜と虹」をデザイン。「遠く離れていても思いはつながると信じている。博士の思いが、現地の人々の心に温かく残り続けてほしい」と願いを込めた。
92歳 守谷さん片手で折り鶴
今回送られる千羽鶴には、市内の高齢者施設で暮らす守谷昌祐さん(92)が手がけたものも含まれている。
守谷さんは元建築士。脳梗塞による左半身麻痺で車いすで生活しており、そのリハビリとして折り紙を始めた。同会の取り組みを知り、4年前からこの活動に参加している。利き手だった左手が使えないなか、折り紙と同じ正方形に切り揃えた広告チラシを片手で一羽一羽、器用に折り上げる。今ではその姿に共感した入居者仲間が、紙の裁断を手伝うという「支援の輪」も広がっている。「応援してくれる人もいて、張り合いがある。体が動く限り続けていきたい」と語る守谷さんにとって、この折り鶴は大切な生きがいの一つになっている。
市長応接室で開かれた授与式で、塚本代表や学生から千羽鶴を受け取った初宿市長は「思いがこもった千羽鶴を、しっかりと現地へお届けします」と約束し、「皆さんの素晴らしい取り組みは八王子全体に伝わっている。私自身も肥沼氏の偉業を語り継いでいきたい」と語った。塚本代表は長年にわたり千羽鶴の空輸をサポートする市に感謝を述べるとともに「皆様が心を込めて折ってくれた千羽鶴が大空を飛び、ドイツに感謝と世界平和の思いを伝えてくれることを願っています」と思いを述べた。
ピックアップ
意見広告・議会報告
八王子 トップニュースの新着記事
コラム
求人特集
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!












