市立第五小学校(千人町)のPTAが5月から、「PTAだより」等の印刷をやめ、独自のHPでの発信に切り替えた。委員の負担減を考慮したもので、市内では同PTA以外も同様の「ペーパーレス化」の動きがみられる。市立小学校PTA連合会の櫻井励造(れいぞう)会長は「都内にはアプリを導入しているところもある。作業が減るのはいい傾向」と話す。
五小「印刷やめました」
HPで発信
「そのシステムは昭和の時代から変わっていない。専業主婦が前提の組織」。五小PTA会長の山本法史さんは、6年間会長を務める中でPTA活動についてそう実感した。「有給休暇をとって活動に出る主婦もいる。それでは歓迎されない。継続するために負担を減らす必要がある」
そこで会議の回数を減らすなどの取り組みとともに昨年4月から進めてきたのが、「印刷業務」の軽減、「ペーパーレス化」だ。
共働き世帯の増加、スマートフォンの普及などを背景に、この5月から「PTAだより」等の印刷物を、保護者を対象としたHPでの公開に切り替えた(閲覧には要パスワード)。「印刷をするために学校に来ていただき、各クラスに配る手続きをし、ホッチキス止めなどをする。この作業がなくなりました」。たよりなどの印刷物は月1回のペースで発行していた。現在印刷するのは委任状など、どうしても必要なもののみ。印刷回数が極端に減ったため、コピー機も安価なものに買い替えた。これまでの印刷業務がほぼなくなったことで委員からは「こんなに楽でいいの?」「もう前に戻れない」との声があったそう。
子ども見守りに力を
一方、紙からHPへの移行には反対意見もあった。「見ることができない人もいるんじゃないか?ただ、やってみる価値はあると思いました」。更新はメールで告知する。5月版は「7割以上」の人の閲覧を確認できた。
山本会長はこの「負担減」の取り組みでPTAのイメージを変えたいと考えている。「地域の人の中には防災・防犯について不安な人も多いはず。安全確保には保護者の力が必要。登下校時の見守りなど、そちらの方に時間をかけていきたい」。櫻井会長は「効率化はみんな思っていること。良い傾向です」と五小PTAの実績を評価した。
港区ではアプリも
櫻井会長が所属する第十小学校(大和田町)のPTAは、ウェブアプリを導入し「完全ぺーパーレス化」をめざしている。「アプリ上でテキスト形式の『おたより』の作成もできる。HP機能の場合は保護者側からのプル型の共有ですが、アプリならPTA側が掲載したらメールが届くプッシュ型の共有が可能です」。港区のPTAですでに採用されており、紹介を受けて試してみた櫻井会長は「感覚的に操作できる」とその完成度の高さに驚いたそう。「(PTA活動を)楽しくやるために、楽ができるものはどんどん使っていきたい。まわりにも広がっていけばいい」と期待する。
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