根付くのは1割
「もう汗びっしょりだよ」。6月20日、沖縄の八重山(やえやま)諸島にある石垣島の名蔵湾でマングローブの植樹に精を出したのは、八王子の東京八王子いちょうライオンズクラブ(LC)。毎年6月に地元の八重山LCと交流しており、合同で行う植樹事業は今回で2度目となる。
マングローブは熱帯や亜熱帯の淡水と海水が混ざり合う汽水域に生える植物の総称で、その根元は小さな生き物の隠れ家となり、生物多様性を維持する上で重要な役割を果たす。また、高潮から人間の生活を守ってくれる役割もある。
石垣島のこの場所はかつて道路を作った影響で減ってしまったらしく、八重山LCが長年に渡って植樹をしている。この日はいちょうLCの17人を含む総勢25人で200本を植えた。「台風である程度流されるので100本植えても10本しか残らない」といちょうLCの阿久井義人会長。なお、植えたのは八重山LCの会員が手でマングローブの種を集め、苗木に成長させたものだという。
交流6年目
では、なぜ遠く離れた石垣島で八王子のLCが活動を行っているのか。
きっかけは6年前、いちょうLCのメンバーである森屋一弘さんが石垣島を訪れたことから。現地のLCと交流する機会があり、マングローブの話を聞いた。一方、森屋さんは17、8年前から趣味のダイビングで石垣島を訪れており、その海の美しさに惹かれ続けていた。しかし「どんどんサンゴ礁が埋もれていっている」と感じていたこともあり、何かできないかと模索した。その年からいちょうLCと八重山LCとの交流が始まり、4年前から植樹に協力するようになった。マングローブの植樹は石垣の人々にも広く知られ、理解を得られているという。森屋さんは「流されても根気よく植え続けるしかない。自分たちの植えた苗が大きく育つのが楽しみ。今後も石垣島を訪れ、苗の成長を見守りたい」と話す。
※写真は全ていちょうLCの提供
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