2夫婦 幸せ60年
割烹伊奈喜(いなき)(八日町)の伊奈稔さん、敏江さん夫婦(台町在住)と高尾寛さん、雅代さん夫婦(高尾町在住)が揃って結婚60周年をむかえ11月20日、京王プラザホテル八王子で「ダイヤモンド婚」のパーティーを開いた。関係者ら100人が集まり、4人を祝った。
結婚「たまたま」同じ年
今回4人が揃ったのは訳がある。同店4代目の伊奈聖仁(まさひと)さん(56)と高尾家長女の多栄さん(同)は1988年(昭和63)に結ばれた。聖仁さんの両親(稔さんと敏江さん)、多栄さんの両親(寛さんと雅代さん)はいずれも「たまたま」同じ59年(昭和34)に結婚。両家で今年60周年(ダイヤモンド婚)という節目を迎え4人とも健康であることから、宴席を設けお世話になった人を招くことにした。
パーティーではまず高尾山薬王院や八王子商工会議所の関係者が祝いの言葉を述べた。稔さんについて「(同院の)筆頭参与など要職に尽力した」と称える一方、「これまで救急車で5回運ばれたがいずれも無事家に帰ってきた」などのエピソードも披露し、会場は笑いに包まれた。
芸者「全員」集合
稔さんと長く親交がある八王子芸者衆も「総揚げ」(全員集合)で、姫三社、獅子頭、俵積み唄の3曲を披露し「晴れの席」を盛り上げた。
盛大なパーティーについて寛さんは「身に余る思い。大変光栄」と、雅代さんは「明日何があるかわからないが、今日はとても幸せ」と喜んだ。
パーティーの終盤では敏江さんが20年学んでいるというフラダンスのお披露目も。「家族の前では初めて」だそうで、知人と2曲を踊り満面の笑みを浮かべていた。
また、5代目にあたる佑純(ひろすみ)さん(27)が婚約者をつれ「伊奈喜が100年以上続いているのは皆様のおかげ。その灯を絶やさないよう継ぎたい」とあいさつした。
「お袋に伝えたい」
稔さんは国立大学を卒業後、県庁に勤めていた。それが敏江さんと結婚することを機に養子縁組となり「3代目」として割烹経営の道を歩むことに。最後に壇上に立った稔さんは当時について「婿さんが来て店を潰したら末代までの恥になる」とプレッシャーの中で慣れない飲食業に取り組んだことを明かした。「あの世へ行ったらお袋に『潰さずに済んだ』と報告したい。それが楽しみ」と話した。また「こんなにたくさんの友達が来てくれた。そんなことも伝えたい」と結び、涙ぐんだ。
パーティーを終え多栄さんは「まさか実現すると思わなかった。4人が健康で何より。皆様には本当に感謝申し上げます」と話した。
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