八王子 社会
公開日:2020.03.19
ワケあって男の料理
悲しみ隠し「楽しむ」
「こんな感じかな」「目分量でいっちゃう?」。月に1度、地域サロン「スーヴニールの森」(打越町)で開催される「男の料理教室」では、にぎやかな声が聞こえてくる。「凝るわりにはおおざっぱな男の料理」。1時間でカニ玉、豚シャブ、チャーハンを完成させた。普段は店舗で提供していないビールで乾杯。よもやま話に花を咲かせた。
この料理教室は在宅医療を手掛ける医師の数井学さんが「奥さんを亡くした旦那さん同士が集まれる場を」と1年半前にスタートさせた。「みんな料理ができずに困っているだろう」。そんな見込みで始めたが、実際参加者の多くは病床に伏した奥さんのために自分で料理を作っていた「経験者」だった。
今年の1月にガンで夫人を亡くしたばかりの宮入正敏さんは「楽しいですね。(少し間があり)他に楽しみもないしね。楽しくやらないと」。数井さんは「女性はコミュニティを作るのが上手だけど男は苦手。こうやって少しずつでも楽しんでもらえれば」と話す。
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