市 担当者に聞く
学習指導要領の改訂により今年度から小学校でのプログラミング教育が必修化された。現状について八王子市に聞いた。
「導入初年度ですが、その中で新型コロナウイルス感染症対策として臨時休業期間等も重なり手探りの状況です」。市教育委員会統括指導主事の上野和広さん=写真=はそう話す。市内の小学校では5年の算数、6年の理科の授業の中でプログラミングの学習をする。当初からいずれも2学期以降の実施の計画となっている。
プログラミングの授業は論理的な思考能力を養うことを目的とする。例えば、5年の算数の授業は「多角形」を作るプログラミングに挑戦する。パソコンのソフトの中で線を引き、「60度動かす」などの指示を出す。道筋を立てた考えで、コンピュータに意図した処理を行わせられなければ、形にならない。
双方にサポート必要
市内では昨年、3つの小学校が都の研究推進校となり先行して授業を実践した。現状の課題について上野さんは「初めて子どもたちが学習するプログラミング教育の学習内容を、どのようにして分かりやすく伝え、興味・関心を高めつつ、論理的な思考力を育むことができるのかが課題」と指摘する。
サポートは教える側、教えられる側の「両方」に必要と考えている。教員に対しては指導者養成研修、児童に対しては「本番前」の4年生の段階で理解、興味を高めてもらう試みとして全市立小学校70校を対象に情報機器会社による出前授業を計画。ただ、いずれも新型コロナのために「凍結中」となっている。
「プログラミング教育を通して論理的思考力を育むことは子どもたちの未来の可能性を広げることにつながります。すべての子どもたちが試行錯誤を繰り返しながら『できた』『分かった』という体験をし、自己肯定感を高められるよう子どもたちの学びを支えていきたい」と上野さんは話した。
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