八王子 人物風土記
公開日:2020.08.06
元毎日オリオンズ投手で、今も「古希野球」で最年長選手として活躍する
松村 恒夫さん
台町在住 85歳
「与太郎」笑顔の営業マン
○…「与太郎」と自身を呼ぶ。落語の物語に登場する「間抜け者」のようだと。幼少期から野球に打ち込み、高校卒業後は毎日オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)に入団したが、半年ほどで退団。「練習環境に違和感があった」と当時を振り返る。その数年後に勤めた国際的な工具メーカースナップオンでは、36歳で日本1位の営業成績を収めた。定年後の現在は週に2度の草野球を楽しみにしている。
○…台町で生まれ育った。野球三昧だった学生時代は落第ぎりぎりだったが、「卒業だけは」という父の頼みもあり高校卒業。退団後には実家の織物屋を手伝ったが、時代のあおりで廃業した。その頃は「新卒採用が当たり前」だったため不安も大きかったという。生活費を稼ぐために、幼馴染の妻と毎日シール針の内職をしたこともあった。「それでも、二人で好きなジャズを聴けば、明るい気持ちになった」
○…いとこの紹介でスナップオンに入社してからは、工具用品を航空会社、警察署など相手に営業した。興味のあった分野だっため、熱心に打ち込んだ。バンに工具を乗せ、全国を営業するなかで、「困ったことがあれば、仕事とは関係なく頼んでくれ」と伝えたそう。徐々に心のつながりが生まれたことが、成果にもつながった。
○…「いつなにがあってもおかしくない」と草野球で次の約束は行わない。それでも朝、目が覚める時は毎日「新しい1日がはじまる」と感じ、自宅ではいまだに毎日トスバッティングを行っている。「球拾いでもいいから、最後までボールを触っていたい」のだという。「届くか届かないか、その瀬戸際で諦めるのではなく、あきらめずに踏ん張ること」。それが人に愛される秘訣だとほほ笑んだ。
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