ピアニストの坂本里沙子さん=人物風土記で紹介=がこのほど、ロシア国立モスクワ音楽院の留学体験をつづった自身初のエッセイ本「私の音楽留学」を出版した。
坂本さんは、高校卒業後、留学生として18歳から24歳までロシアで過ごした。当時SNSが一般的ではなかったため、日本にいる家族や友人に向けての近況報告としてブログ「ロシア徒然日記」を始めたという。
書籍は当時のブログから音楽についての内容を抜粋し、加筆修正した。出版元の群像社はロシア文学を専門としている。
日本人がほとんどいない土地で、まったくロシア語が話せない中での留学だったそう。
参考になれば
同音楽院においては、日本人が「短期留学」ではなく、本科に5年間在籍した例は珍しいそう。同書では留学を志す人に向けて参考にしてほしいと、試験の実施方法まで丁寧に伝えている。最後には「助けてほしいときや伝えたいことがあるときは、目を見てしっかり伝えれば誰かにちゃんと伝わります」と締めくくり、背中を押す。
坂本さんは、今後も演奏会や講演会などを通じて幅広い世代にロシア文化や芸術を広めたいとしている。
書籍はくまざわ書店八王子南口店、八王子店にて購入できるほか、通販サイトでも販売する。問い合わせは群像社【電話】045・270・5889へ。