「ヤギレンタルします」の看板が、秋川街道沿いに掲げられている。徒歩1分の浅川沿いまでがヤギの「散歩道」。0歳から3歳のメスヤギ3頭が一戸建ての庭で飼育されている。
場所は中野上町。飼育する田所徹さん(66)は、会社を経営する傍ら、今年から借りた一戸建て「無垢庵」でヤギの飼育を始めた。有料で一定期間飼育を譲ることも許可(レンタル)している一方、草刈り運動や、地元の小学生とのふれあいの機会を作っている。
そもそも田所さんがヤギを飼い始めたのは約7年前。小学校の見守り員をしていたころ、馬と触れ合うことで精神に安らぎを与える「ホースセラピー」に興味を持ち始めたのがきっかけ。しかし、馬の飼育は手がかかったために、より「しやすい」ヤギを選んだという。
ポイ捨て減る
浅川沿いでは河原の草を食べさせるが、これは田所さんが地元町会の役員であったころの経験から。河原で「ゴミのポイ捨て」が問題となっていた当時、市の公園アドプト制度を利用して、ヤギに草を食べさせた。すると、河原がきれいになったことでごみを捨てる人が減り、「ポイ捨て禁止」の看板よりもはるかに効果があったという。
子どもから大人まで、「かわいい」と歓迎する声は多い。しかし、近隣住民からは、フン害や、道端の花を食べてしまうことなどに対し、心配の声も上がっているため、田所さんはヤギを散歩させた後、必ずちりとりでフンの始末をするなど注意をしている。
命 実感して
「ヤギを大切にしてくれる人に飼ってもらう」ため、レンタルは会員制としている。これまで既に小学3年生の児童がいる家庭に1カ月間レンタルを行っており「癒された」との感想を得た。田所さんは、「必ずしもこの環境がヤギたちにとっていいとは限らない。より広い場所で飼うことも今後考えていきたい」としている。「子どもたちにはヤギと触れ合うことで命の大切さを実感してもらいたい」と話した。
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