超高速で、より遅延の少ない通信ができる「5G」(第5世代移動通信システム)を活用した東京都のまちづくり事業「スマート東京」。昨年、先行実施エリアに選定された南大沢の拠点、東京都立大学(南大沢)は先月、「スマート東京キックオフミーティング」と題したオンラインシンポジウムを開催した。
第1部は、都職員や民間企業経営者など産学公民から4人が登壇する講演を実施。第2部はパネルディスカッションが行われた。
登壇したヒト型ロボット「ペッパー」の開発に携わったGROOVE X(株)代表の林要氏は、ロボットの今後について講演。「人の成長を支えるのがテクノロジーのゴール。人のエモーショナル(感情)ケアについて、AIだからできることもあるはず。5Gの実証実験では、その可能性についても考えてもらえれば」と語った。都都市整備局先端技術調整担当部長の三木健氏はスマート東京における南大沢の位置づけなどを説明。三木氏は「高齢者の移動支援に自動運転車椅子の実験や、コロナ禍で外出がしにくくなる中、アバターロボットの買い物支援も展開していければ」と今後の取り組みを話した。
基地局を整備
同大学は昨年末、企業や自治体が個別に利用できる「ローカル5G基地局」を設置。5G環境を使用した研究を今年1月から開始している。同大学の上野淳学長は「最先端の環境を活用した質の高い研究を加速させ、より一層の社会貢献をしていく」と語った。
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