「廃棄物を生活で再利用」。初沢町にある高尾名店街(安田邦雄理事長)では、通常なら廃棄する喫茶店のコーヒーカスや写真店のフィルムケースの販売を1月から開始した。
写真店の店主で同商店街の副理事長を務める中本康之さんは「最近よく聞く『SDGs』の試み。商店街としてできることから始めてみようとやっている」と話す。
若い世代に学ぶ
喫茶店「おしゃれとコーヒーオルム」は、抽出後のコーヒーカスを乾燥させ、100グラム50円で販売している。
1日に出るコーヒーカスは7、800グラムほど。これまでは廃棄していた。同店の山下鈴江さん(67)は「脱臭効果があるので玄関やトイレなどに。調べてみると防虫効果や洗剤に効果もあるそう」と話す。
山下さんは「若い世代」からSDGs(持続可能な開発目標)を教わったという。廃材を使ったおもちゃ作り、ラップを使わず木の葉に包んでおにぎりを持ってくるなど、環境のために工夫する姿に感心した。「そういえば自分の子どもの頃も、お饅頭を包む葉っぱを裏山へとりに行っていた。便利な時代に慣れ過ぎていたけど、昔はもっとものを大切にしていたね」と話す。
タダ無駄に
中本さんは、自身の店舗「アズマフォト」で、フィルムケースを1個55円で販売している。水に弱いフィルムを保護するためケースは密封性が高い。中本さんは「インク、針などの保管、500円玉なら23枚入るので、使い方はさまざま」と話す。
もともと廃棄するフィルムケースやコーヒーかすは、「タダ」で渡してもよかったが、敢えて値段をつけた。
中本さんは「タダでは、また捨てられるのではと。お金を出してもらい必要とする人に届けば」と説明する。
購入者はまだ少ないが話題には上るという。山下さんは「モノを大切にしてきた頃を思い出すきっかけになるといいですね」と話す。
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