NPO法人八王子国際協会の理事長に先月就任した 須藤 誠さん 南新町在住
国籍超え、共に学ぶ
○…外国人市民の生活やコミュニケーションの支援、国際交流イベントの企画などを担う、会員約260人の団体の新リーダーに。会員増強を目標に、「皆さんにアドバイスをいただきながら、組織を強化したい」と意気込む。多文化共生社会を掲げてボランティアの力を結集し、八王子市と地域で一体になって事業を進めていく。
○…子安町で生まれ、今も市内に住み続ける。学生時代から海外志向で、英語のほかドイツ語やフランス語、中国語などを学習。理工学部で建設関係を勉強し、大学院在学中から非常勤講師を務めて26年続けた。就職先の設計コンサルタント会社には約20年勤務し、世界各国のインフラ整備や経営アドバイス、技術者育成等に従事。JICAの講師も10年担った。
○…ニジェール共和国をはじめチュニジア、モロッコなどアフリカ諸国には10カ国ほど赴任。「物を恵んではいけない」と教えられる一方、多くの貧しい現地人を目の当たりにしてきた。「ボランティアと海外交流で発展途上国のために尽力しよう」と心を寄せるように。南米を回っていたころ、10年ほど前にアルゼンチンで河川の汚染に直面。水の浄化技術を伝承する一方、行政の協力を得て周囲の工場から汚水を出さない仕組みづくりにも携わった。
○…八王子国際協会では2年前から理事に。これまで会社経営や大学教授に傾注し、論文は120本以上発表。現在は北里環境科学センターの評議員や中国の大学で客員教授を務めるなど、生涯現役を貫く。地元八王子には「商業に観光、歴史が豊か。大学も多く、連携すれば『知』の財産が生まれる」と期待を込める。「国籍を超えて交流の輪を広げ、教育や文化で相乗効果につなげたい」と描く夢は壮大だ。
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2022年7月28日号