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八王子 人物風土記

公開日:2022.11.17

市内を中心に病児と家族を支援する、NPO法人ピアスマイルの代表を務める
大浦 真理子さん
松木在住 49歳

「同じ経験」が心溶かす

 ○…長男を骨髄性白血病で亡くしたのは14年前。およそ6年半の闘病生活だった。患者家族としていっぱいいっぱいだった当時を振り返り、入院中の我が子が喜んだであろうイベントや季節の贈り物を通じて、子どもたちに楽しい時間を提供する活動をしている。「つらい治療のさなかにあっても、少しでも笑顔になってほしい」。一人の親として、言葉に力がこもる。

 ○…元々、長男が入院していた伊勢原市にある病院で家族会の一員として患児を支える活動を継続。家族会と並行し、大学生の次男の後押しで同NPOを昨年立ち上げた。「病児支援の輪を広げたい、地元八王子でも活動できないか」と思っていたところに、次男が法人化を勧め、事務作業を一手に引き受けてくれた。「時間には限りがあること、できるときにやる大事さを彼はわかっていたんだと思う」。コロナ禍で制限が多い中、オンラインでのイベント開催など新しい支援の方法を探る。

 ○…子どもの病気はその家族の人生を一変させる。それを身をもって知る。闘病当時、住んでいた川崎市から病院のある伊勢原市へ家族で引っ越したが、決めたのは次男の小学校入学式の5日前。「それだけ必死だった」。本人だけではなく、親やきょうだい児への多角的な寄り添いが必要だと痛感する。それは「同じ経験をした者でないとわからないこともある。だから、私たちを頼ってほしい」

 ○…八王子に住んで10年ほど経った。天国の長男に見守られながらも、頼りになる次男や三男、また同じ志を持つ仲間たちがいる。「たくさんの理解者や支援者のおかげで活動が続けられる」。八王子で病と闘う子どもたちを笑顔にするため、尽力を心に誓う。

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