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八王子 コラム

公開日:2023.10.26

学びの先端って、どこ?
創価女子短大の場合
第4回 学びの原点について

このコーナーは、創価女子短期大学(丹木町)で教える青野健作准教授に、学びの現場や自身の体験についてお話ししてもらうコーナーです。

 これまで「生理の貧困」や「APD(聴覚情報処理障害)」などゼミでの取り組みを紹介してきましたが、これらテーマを研究するに至った原点について、今回は自己紹介も兼ねてお話しします。

 約15年前、私はベルギーでの在外研究中に、企業出身者、裁判官、弁護士、主婦など様々な同僚に囲まれて研究をしていました。日本では研究室で論文ばかり読んでいたこれまでの自分を省みて、「社会に役に立つために」研究をすることの大切さを学びました。また、ベルギーで多くのLGBTQの人達の存在を知りました。これまでの「男らしさ・女らしさ」といった価値観が崩れ、多様な社会で一人の人間・人格に目を向けること、「誰も置き去りにしない」という感性が培われました。

 帰国後、外務省で働くことになり、毎月のように海外出張をする中で、治安の悪いスラム街、貧困、テロなど世界の社会課題と対峙しました。自らの無力さを痛感し、自身の仕事が何の役に立っているのかと悩む日々が続きましたが、そのお陰で社会課題に敏感に反応できる自分に成長できたとも思っています。その後勤めた日本貿易振興機構(ジェトロ)では、約700社の外国企業の対日投資案件を担当。一人の人間が思い描くビジョンが国際ビジネスの場で社会を変えていく現実を目の当たりにしました。

 振り返ると、一人の人間の可能性を信じること、社会での「声なき声」に耳を澄ませることなど、多くのことを学ばせていただきました。舞台は教育現場に移りましたが、これからもSDGsの推進に取り組んでいきたいと決意していま

す。    (つづく)

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