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八王子 社会

公開日:2023.12.14

シクラメン育て50年
高月町の石川農園

  • 石川農園の石川研さん(右)と康子さん

 冬の訪れを告げる鉢花「シクラメン」。高月町でシクラメンなどを育てる石川農園が、今年で50周年を迎えた。

 陽光が差し込む温室では、石川研さん(70)・康子さん(67)夫婦が丹精込めて育てた赤や白、ピンクなどさまざまな色のシクラメンが並ぶ。フリンジ咲きのフェアリーピコやロマネ、扱う農家の少ないラビリンスなどの珍しい品種も。地元で生まれ育った研さんは、20歳から栽培を始めた。「当時、八王子にシクラメン農家はなかった。ここまでやってこれたのは、わざわざ高月町まで来てくれるお客さんのおかげ」。現在では春は野菜やパッションフルーツの苗、秋はパンジーやビオラの苗も育て、田んぼでは高月清流米と「高尾の天狗」など地酒の材料になる酒米を作る。近隣で高齢や後継者不足などの事情で農業を辞める人の田畑も請け負い、学校などの稲作体験にも協力する。そうさせるのは「高月町の水田が並ぶ風景や空気、静けさは、長い年月をかけて作られた地域の宝。東京にこれだけの環境が残っている場所は少ない。この自然や生物多様性を守りたい」という郷土愛にあるのだろう。

生育は良好

 今年のシクラメンは夏に猛暑が続いたものの、同園は周辺が水田で涼やかな環境のため生育に影響はなかったという。長く楽しむコツは「窓際のよく日の当たるところに置いて、暖房器具からはなるべく離す。指先で土を触って乾いていたら、鉢のふちからこぼれるまでたっぷりと水をあげてください」という。

 同園では直売のほか、道の駅八王子滝山でも少量を販売。12月25日(月)・26日(火)には同駅でシクラメン販売会が開かれ、100鉢近くが並ぶ予定だ。問い合わせは同園【携帯電話】090・2400・2085。

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