八王子 コラム
公開日:2024.01.25
学びの先端って、どこ?
創価女子短大の場合
第7回 「学びの多様性」を実現するために
このコーナーは、創価女子短期大学(丹木町)で教える青野健作准教授に、学びの現場や自身の体験についてお話ししてもらうコーナーです。
昨年12月、大学コンソーシアム八王子主催の「学生発表会」が無事に終わりました。私が担当するゼミ生も、石森市長に対して「直接提案」を行い、奨励賞をいただくことができました。
直接提案のテーマは「学びの多様性」。年々増加する不登校児童生徒は、全国で約30万人と言われています。児童生徒の自殺も過去最多の512人と報道されており、何とかしてこの現状を変えるような街づくりができないか、とゼミ生たちは研究調査を行ってきました。
現在、民間のフリースクールはあるものの、卒業資格が得られない課題もあることから、ゼミ生たちは、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)に注目。政府は同学校の「全国300校設置を目指す」と発表しましたが、現状は全国でまだ24カ所しかありません。そして、八王子市にはその中の1校である高尾山学園(館町)があります。しかし、八王子市の不登校児童数(令和4年度)は1832人に上るのに対し、高尾山学園の在籍児童数は110人前後。そのことから、八王子に「学びの多様化学校」を増設できないか、と市長に提案させていただきました。
不登校という社会課題を自分事にし、全国に先駆けて、「誰も置き去りにしない教育の街・八王子」にしていきたいという学生の純粋な思いを訴えることができたのではないかと思います。
さて、ゼミ生の挑戦は続きます。今回紹介した「学生発表会」のほかに、毎年、東京都主催の「都民による事業提案制度」があるのですが、これにもゼミ生は挑戦しました。こちらのテーマは「介護問題」。この話は次回、詳しくさせていただきます。 (つづく)
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