学びの先端って、どこ? 創価女子短大の場合 第9回 「自分事」の延長線上に
このコーナーは、創価女子短期大学(丹木町)で教える青野健作准教授に、学びの現場や自身の体験についてお話ししてもらうコーナーです。
先月、都庁にて「都民提案」の感謝状贈呈式に参加してきました。都民提案とは、都政の喫緊課題の解決をめざす「都民による事業提案制度」の通称です。今回ゼミ生が提案した「介護の魅力PR事業」に5700万円の来年度予算が計上されたことを受け、改めて自身の研究テーマである「SDGs」について考えました。
SDGsを学び実践するためには、さまざまな社会課題を「自分事」にすることが大切だとよく言われます。しかし、「最初は自分事として捉えていたけど、何をしていいかわからずだんだんそう感じなくなってしまった」という人が多いのではないでしょうか。
私のゼミでは、社会課題を無理やり「自分事」にするように説得するのではなく、まずは身の回りの自分事から出発し、「その延長線上に社会全体で考える悩みであるか」を問うようにしています。これまで当ゼミで扱ってきた「生理の貧困」「APD(聴覚情報処理障害)」「介護問題」は、いずれもゼミ生が自分の人生の中で感じていた悩みから出発しています。だからこそ、最後まで「他人事」にはならないのです。
読者の皆さんも、身近な悩みから出発して、社会課題に「共感」できることがあるか考えてみると、その先に何をすべきかが見えるかもしれません。そして、共感した先の行動のひとつに「応援」があります。今回の都民提案は、都民が考えた社会課題の解決策に投票し、実際に都政に反映される制度です。SDGsの目標のひとつである「17:パートナーシップ(皆で協力して)で目標を達成」できるような世の中になることを願っています。
(つづく)
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