八王子 人物風土記
公開日:2025.05.29
英国で行われた酒類品評会のリキュール部門で金賞を獲得した
島村 悟さん
万町在住 50歳
八王子の恵み、酒に込め
○…三崎町の一角、細い階段を上った先にある正統派バー「洋酒考」。そのカウンターで23年、情熱を注ぎ続けてきた。数年前から作り手にも挑戦。地元産の桑の実などを使用したクラフトリキュールが今月、権威ある海外の品評会で金賞を受賞した。アジアで製造や販売する企業が出品する中での快挙に、「まさか初めてのエントリーで受賞するとは」と思いがこみ上げる。
○…帝京大学を卒業する頃、時代は就職氷河期。「就職するより手に職をつけたい」と考え、飲食業界へ飛び込んだ。たどり着いたのは、奥の深さを感じたバーテンダーの世界。尊敬する師匠に出会い、9年ほど修業したのちに開いた店が洋酒考だ。「一人で作業が完結するこの仕事は社会性のない自分には合ってました」と冗談めかすが、聞き役や話し役を客の表情によって使い分け、客との距離感を大切にする姿勢に客足は絶えない。
○…リキュールづくりで苦戦したのは桑の実の扱いだ。水分を多く含むため、他のベリー類と比べ保存がきかないのが難点だ。そこでフードドライヤーを購入し、ドライフルーツの要領で実の水分を飛ばし美味しさをぎゅっと凝縮。苦みのあるホップをアクセントに、地元産を存分に使ったリキュール「マルベリー&ホップス」を完成させた。
○…妻と二人の子、愛犬が家族。今度下の娘が初任給で食事をご馳走してくれることになり、その日が楽しみだ。今回の金賞には満足しつつも「まだまだ知名度が足りない」と一言。世界で認められた酒が八王子から生まれたことをもっと市民に知ってもらいたいと願う。そんな思いを胸に、次に商品化を目指す素材は市の名産品・パッションフルーツだ。
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