八王子市立上柚木小学校(川合孝征校長)で、卒業生などが大切に使ってきた学用品を下級生へ譲るリサイクル事業が行われている。
この活動の中心は、PTAに代わり2023年度に立ち上がった同小の任意団体「かみゆぎ小スマイルサポーター(かみサポ)」の保護者たち。児童の見守りや季節行事の開催などの活動を行っている。その中で月数回、校内で催す保護者同士の情報交換会「ゆるカフェ」内に設置しているリサイクルボックスで自由に学用品の回収・譲渡が行われている。
発案者で、昨年度の卒業生の保護者である指籏(さしはた)愛子さんは、「一番は(まだまだ使える学用品を)捨てるのはもったいないという思い。個人間のやりとりより、こういった場がある方が気が楽な人もいる」と今年1月から取り組みを始めた理由を話す。同小の勝俣佳子副校長も、「(学校教育費の)保護者負担軽減につながっているのでは」と活動を歓迎する。
上柚木小の在校生、卒業生なら学年問わず寄付できるこのリサイクル事業。3月に行われた卒業式の会場にも回収箱を設置し、現在は体操服や裁縫バッグ、絵の具、赤白帽、鍵盤ハーモニカなどがボックスに入れられている。
同小に通うきょうだいの母親は、この取り組みで鍵盤ハーモニカを譲り受けた。鍵盤ハーモニカは兄弟間で共用もできるが、「下の子にもあった方がいいと思って」リサイクルボックスをのぞいた。体操服など卒業まであと少しなのに小さくなってしまったときもサイズが合えば新品を購入せずに済む。物価高が叫ばれる昨今、家計の一助になっているのかもしれない。
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