南大沢エリアのセブン-イレブン2店舗で、5月19日から自動配送ロボットを使った商品配達サービスの実証実験が行われている。スマートフォンアプリから注文された商品を箱形ロボットが自宅前まで届ける。自律走行型でオペレーターによる操作を必要としないことから、配送業界の人手不足解消の手段として期待が高まっており、南大沢をモデルケースに他地域でのサービス展開も検討している。
実証実験は自動配送ロボットの開発・提供・サービス運用を手がけるLOMBY株式会社(本社=品川区、南大沢に開発拠点)、株式会社セブン-イレブンジャパン(千代田区)、スズキ株式会社(静岡県浜松市)による共同事業。スズキの電動車いすをベースに開発された自動配送ロボット「LOMBY」がセブン-イレブン南大沢駅前店と八王子南大沢店にそれぞれ2台ずつ設置され、一部地域を除く南大沢エリアを配送範囲としている。配送可能な商品は約3000点で、たばこや引火性のあるもの、ロボットが運べない大きさや重さのものは除く。
周辺状況を自動認識
利用者はセブン-イレブンが展開する商品配達サービス「7NOW(セブンナウ)」のスマートフォンアプリを通じて注文。店舗スタッフが商品をロボットに積み込むと出発する。ロボットは信号機や障害物などを自動認識しながら、歩道(歩道がない場合は路側帯)を時速6キロメートル以下で走行。「右に曲がります」といった音声アナウンスや方向指示器、ライトで周囲に自身の存在を知らせながら配送する。注文者はウェブでロボットの現在地を確認でき、到着時にはSMSで通知が届く仕組みだ。
ロボット配送の注文は午前9時30分から午後8時まで。配送料は税込330円。実証実験の期間は2026年2月28日(土)までを予定している。
地域課題に貢献
公道での実証実験は2023年に続く2回目となるが、自律走行型では初めて。LOMBY株式会社の内山智晴代表取締役は「2年前は遠隔操作型だったが、今回はそこから2世代アップデートし、オペレーターによる操作は不要になった」と説明する。法律上、遠隔監視は必要だが、完全に自律走行型となったことで、配達員の確保が難しい夜間や雨の日でもスムーズな配達が可能になるという。
LOMBY社は市や都立大学、地元企業などで構成される「南大沢スマートシティ協議会」の協力企業でもあり、坂道が多く高齢化が進む南大沢エリアの利便性向上や、買い物などの移動負担軽減といった地域課題の解決にも貢献したい考えだ。内山代表は「今後、人によるサポートだけでなく、自動化したロボットによるサポートが社会に必要になってくる。南大沢での実験を元に、まずは多摩ニュータウンをカバーできるようにサービスを広げていきたい」と展望を語る。
またLOMBY社では現在、自動配送ロボットの技術を応用した「人の超短距離輸送」についても開発を進めているという。「自宅から近隣の商店まで、バス停から自宅まで子どもと荷物と一緒になど、足の不自由な方や子育て中の方の外出支援に役立てたい」と、将来的なサービス展開にも意欲を見せている。
![]() LOMBY(株)の内山代表取締役
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