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公開日:2025.06.26

帝京大学 佐伯さん
パラ走幅跳で日本新
100m走でも優勝

  • 女子T35クラスの走幅跳競技で日本新記録を樹立した佐伯さん(帝京大陸上部所属)

  • 走幅跳と100m走の優勝メダル(ジャパンパラ陸上競技大会)

 帝京大学八王子キャンパス(大塚)に通う佐伯菜々美さん(法学部4年=人物風土記で紹介)が6月7日から宮城県で行われたジャパンパラ陸上競技大会に出場。女子T35クラスの走幅跳競技で自身の持つ日本記録を塗り替え、100m走でも優勝を果たした。

大学から陸上始める

 佐伯さんは、先天性の脳性まひにより両手足に動かしにくさやこわばりがある。日常では足に装具をつけ生活しており、競技では「T35」という「両下肢に中等度の障害があるクラス」に属している。

 佐伯さんが日本新記録を出したのは、6月7日から行われたジャパンパラ陸上競技大会。日本パラスポーツ協会と各競技団体が共催で、「国内最高峰のパラスポーツ大会」とも言われている。大会記録は国際公式記録としても認定される、日本国内では数少ない国際公認大会の一つだ。

 走幅跳と100m走などに出場した佐伯さん。走幅跳では持ち前の勝負強さを発揮し、2m67cmの日本・大会新記録で優勝、100m走では18秒33の記録で優勝を飾った。

 佐伯さんが陸上競技を始めたのは大学生になってから。パラスポーツには興味はあったが、体への負担などを考え一歩踏み出すのは控えていた。

 行動に移したのは大学入学後。教室で出会う運動部の学生たちが勉学やスポーツにいそしむ姿を見ているうちに、「自分もやってみたい」と思った。その頃、都内でパラスポーツ全般を体験できる催しに参加。バスケやカヌー、バイアスロンなど、様々な競技を体験してみたなかで、「陸上の練習が一番自分に合っていると思った」という。

今春から帝大陸上部に

 佐伯さんはその後、障がいがある人も活躍する都内の陸上クラブチームに入会。下肢の不自由さからクラウチングスタートではなく立位体勢でスタートするなど工夫しながら練習に力を入れた結果、1年目にT35クラスの100m走で日本記録を打ち立てるなど、周囲を驚かす成績をたたき出した。

 佐伯さんが同大の陸上競技部に入部したのは今春、4年生になってからだ。「今しか着れない、帝京大学のユニホームを着て走りたい」と一念発起し、同部の永島昇太郎監督に相談。最初は「受け入れてもらえるだろうか」と不安だったが、心配は杞憂に。「ハンデは個人のパーソナリティ。何も心配することはない」と断言する永島監督のもと、同大陸上部としての活動を始めた。

 4月には愛媛県で行われた第36回日本パラ陸上競技選手権大会に出場。100m走、そして200m走で優勝を勝ち取り、「帝京大学所属として初めて走ることができてとてもうれしかった」と振り返っている。

 今後も自身が立てた日本記録を塗り替えていきたいと話す佐伯さん。「パラスポーツをもっと当たり前の社会にしたい」と展望を語った。

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