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八王子 人物風土記

公開日:2025.07.10

八王子市仏教会の名誉会長に就任した
大蔵 健司さん
弐分方町在住 64歳

地域と仏教の架け橋に

 ○…「まさか自分がなるとは思わなかったが、やるからには覚悟を決めて引き受けた。仏教会をしっかり盛り上げていきたい」と意気込む。宗派を超えた130の加盟寺院が協力し、涅槃会のつどいや八王子花まつりなどの仏教行事、食品寄付などの社会活動を行っている。「一般の方々に、仏教に触れる機会をたくさん提供して、特定の信仰を広めるのではなく、仏教全体を知ってもらえるようにしたい」

 ○…港区出身。虎ノ門にある檀家のいない寺「不断院」の息子として学生時代を過ごした。教師との兼業住職だった父が将来を見据えて八王子への移転を決めると、僧侶の資格取得のために京都へ。修行を終え、浄土宗新聞を作る広告制作会社へ就職。「朝のお勤めをしてから出社していた。バブル期の広告業界のサラリーマンは過酷でしたね」。編集制作から販促営業までの幅広い経験が寺院運営に役立っている。

 ○…住職として多忙な日々を送る。虎ノ門から移転した1992年当時は檀家も収入もなくゼロからのスタート。そのため、従来の檀家制度に縛られず個人の信者を広く受け入れ、墓地開発も進めた。今では宗派を問わない霊園を運営し、1日複数件の法事に向かう。「顧客満足度を重視し頼まれごとを断らず、このお坊さんに出会えて良かったと思ってもらえるよう心がけた」とその秘訣を語る。

 ○…仏教会には「同じ宗派の人に声をかけてもらい」、約30年前から所属している。地域との接点が増え、ほかの宗派の人々との交流など、「世間が広がる」のが心地いい。僧侶同士の安心感もあり、組織への信頼は厚い。「仏教の教えを身近に感じてもらい、次の時代にも求められる存在でありたい」

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