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公開日:2025.07.31
浅川中学校
被爆樹木二世を植樹
戦後80年 平和への願い込め
八王子市は、戦後80年の節目を迎える今年、平和のシンボルである「被爆樹木二世」の苗木を市内各所に植樹する取り組みを進めている。市も加盟する国際的な組織「平和首長会議」の事業の一環で、未来を担う子どもたちの平和意識の醸成などが目的だ。
平和首長会議は、核兵器のない平和な世界の実現を目指し、世界中の都市が加盟する国際的組織。現在、166の国と地域から8497都市が加盟している。主な活動は、核兵器に関する情報発信、被爆体験講話の提供や「被爆樹木二世」の苗木の配布など。被爆樹木二世は、1945年8月に広島と長崎に投下された原子爆弾の爆心地近くで、被爆しながらも生き残った樹木(被爆樹木)から採取された種子が発芽し、育った二世の苗木のこと。平和の象徴として、また生命の尊さを伝えるものとして、日本各地で植樹されている。
6中学が賛同
今回、市は戦後80年の節目に初めてこの取り組みに参加。市内の小中学校に呼びかけたところ中学校6校から植樹の希望があり、7月23日に第一弾として浅川中学校(初沢町)で植樹することになった。
両市から事前に輸送された植樹用の苗木は、アオギリ(広島)とクスノキ(長崎)。同組織によると、アオギリの親木は爆心地から約1300mの距離にある旧広島逓信局(広島市)の中庭で、クスノキの親木は爆心地から800mの山王神社(長崎市)で被爆した樹木だという。
祈り込め校門そばに
植樹をしたのは、同校生徒会役員である、内田美宝さん(3年)、佐々木侑希さん(同)、兵藤七海さん(同)、狩野千帆さん(2年)、田丸歩実さん(同)の5人。放課後、校門脇の花壇に集まった5人は、植樹用に設けたスペースに教員の指導を受けながら、スコップなどを使い30分程かけて苗木を土に植えた。
植樹を終え、内田さんは「広島に行ったことがあるためこれが被爆した親木の苗木かと思った」、佐々木さんは「卒業しても苗木の成長を見に来たい」、兵藤さんは「校門のそばなので、登下校の際に苗木を見ることで(戦争のことを)忘れないでいたい」、狩野さんは「被爆された方たちの思いを大切にしていきたい」、田丸さんは「初めてこういった植樹に携わった。自分も苗木がどんな風に成長するか見守りたい」とそれぞれの感想を語った。
同校の市場陽一郎校長はこの事業に参加した理由について、「戦後80年という節目に生徒たちに戦争について自分事として捉えるきっかけにしてもらいたくて手を挙げた」と取り組みの意義を話す。同様の植樹は8月に八王子市役所(元本郷町)、上柚木中学校(上柚木)、富士森公園(台町)で実施する予定。また市総務課によると、10月以降、長房中(長房町)、松が谷中(松が谷)、城山中(市川町)、松木中(別所)でも順次行っていくという。
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