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公開日:2025.08.28

日本生物学オリンピック
中高生らが頂上決戦
都立大で実験などに挑戦

  • 表彰式で入賞者を称え合う選手たち=8月21日・都立大学南大沢キャンパス

  • 国際大会の日本代表候補に選ばれた12人

 生物学が好きな中高生らを対象にした全国規模のコンテスト「日本生物学オリンピック」(JBO)の2025年本選が、8月18日から21日にかけて東京都立大学南大沢キャンパスで開かれた。予選を通過し日本各地から選抜された60人の選手が、生物学の実験や理論試験で競い合い、2027年にリトアニアで開催される国際大会の日本代表候補も選出された。東京での本選開催は7年ぶりで、都立大では初めて。

 大学入学前の20歳未満を対象にした生物学の全国大会。2008年に「生物チャレンジ」としてスタートし、毎回本選会場を変えて開かれてきた。昨年は熊本大学で行われており、東京での開催は2018年の東京大学以来となる。

交流も大切

 本選には1516人の予選受験者の中からコンピュータを使ったテスト(CBT)で上位の成績を収め、選抜された中学3年生から高校既卒者までの60人が出場。3泊4日の日程の中で、生物学に関する問題を解く理論試験や実験試験に挑戦したほか、都立大の研究室で実際に行われている実験に参加するラボ体験、選手同士で親睦を深める交流会などが行われた。

 最終日に表彰式が行われ、成績上位者から順に金賞10人、銀賞10人、銅賞20人、敢闘賞19人が称えられた。このほか主催者などが選んだ特別賞、来年の第37回国際生物学オリンピックの日本代表候補12人が選出された。この中から選抜試験で優秀な実力を示した4人と次点の2人が日本代表に選出され、リトアニアに派遣される。なお前回の国際大会では、出場した日本代表の4人全員が銀賞を受賞している。

 初参加で金賞、東京都知事賞、東京都教育委員会賞の三冠を受賞した福岡県立博多青松高等学校の縣龍之介さん(18)は「(試験で)もっとできたかもと思っていたので選ばれて驚いた。他の選手たちと交流できたことも楽しかった」と感想を話した。将来は脳神経の知覚に関する研究に携わりたいという。

若き才能に期待

 大会の実行委員長を務めた都立大理学部の福田公子准教授は「生物学が好きな子どもたちにもっと好きになってもらい、また将来のために横のつながりを作ってもらえれば」と思いを語り、選手たちには「皆さんに色々なもの(経験)を提供したが、私たちにできるのはここまで。あとは今回の経験を生かして、それぞれが思いっきり暴れまくってください」とエールを送った。

 表彰式で同大の大橋隆哉学長は「あの手この手を使って謎を解きほぐしていくことは、とても楽しい。大学や院に進んでも今のワクワクした気持ちを持ち続けて謎の追究に挑み続けてください」、協賛企業の一つ(株)ニコンの笹岡隆治部長も「皆さんの探求心、粘り強さ、生物学への情熱が伝わってきた。若い才能の挑戦は心強く、これからの社会を明るくする原動力でもある」とそれぞれ期待の言葉を述べた。

 来年度のJBO本選は大阪公立大学で開催される予定。

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