八王子 社会
公開日:2026.10.08
異国で掴んだ「生きる力」 伏島さん 東ティモール留学経て
八王子市内に、不登校だったが東ティモールへの留学を経て再び学校へ通い始めた中学生がいる。伏島唯翔さん(13/中学2年生)だ。異国での4カ月間を胸に、「この地で乗り切れたのだから、日本でもできないわけがない」と前を向いた背景には、現地での大きな心境の変化があった。
伏島さんは今年4月から8月まで、日本人の仲間とともに東ティモール民主共和国へ留学した。通っていたフリースクールの母体法人が国際NGOとして現地で教育活動を行っていたことが、渡航のきっかけとなった。
東ティモールは東南アジアのティモール島東部に位置し、2002年に独立。公用語はポルトガル語などで、英語の需要もある。伏島さんは「英語を学びたい」「(自分の)考え方を変えたい」という思いから留学を決意した。
現地では、午前中から夕方まで法人が運営する学校で英語での授業に励み、夜は施設内にある寄宿舎で生活。桶から柄杓ですくった水で頭や体を洗わなければならないインフラ環境や、望んではいたものの「一日中英語漬け」の毎日に、最初は「ストレスを感じた」という。
渡航前、伏島さんは周囲との違いから「いじめ」を受け、周りになじめず不登校となっていた。一方で、当時は「自分も偏見が多く、人を馬鹿にするような態度をとることもあった」と自らを顧みる。
そんな日常を変えたのは、東ティモールでの温かい交流だった。休みの日に後部座席に乗せてもらったバイクが故障した際も、「通りがかった人々が自然と集まり、当たり前のように手を差し伸べてくれた」と日本にはない温かさを感じたという。言葉を交わしていくうちに心の壁が消え、いつしか現地の生活に打ち解けていった。
乗り切った経験大きな自信に
帰国後、伏島さんは「東ティモールで乗り切れたのだから、日本でもできないわけがない」と気持ちを新たにした。その思いを胸に、今年9月から再び日本の中学校へと通い始めた。
伏島さんが通う(一社)アハエデュケーションソールスジャパン運営のフリースクール「若者支援スクールAHHA」(弐分方町)の創設メンバーの一人である江原誠さんは、「復学だけをゴールとは捉えていないが、伏島さんは生きていくための土台となる強さを身につけたのではないか」と成長を見守る。
伏島さんは現在、「将来は自分のような経験を持つ人のためにフリースクールを作りたい」という夢を抱いている。
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