多摩版 掲載号:2018年1月1日号
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新春インタビュー 「健幸(けんこう)まちづくり」前進を 阿部市長、抱負を語る

政治

インタビューに答える阿部市長
インタビューに答える阿部市長

「健康への関心の高まりに手応え」

 2018年の幕開けにあたり本紙では、阿部裕行多摩市長に新春インタビューを行った。阿部市長は「健幸まちづくりの成果」について率直に語り、「シティセールス」「地域包括ケアの新たなモデルの構築」などについても言及した。(聞き手/本紙・中島崇雄)

 ――まずは昨年を振り返っての感想をお願いします。

 「昨年、多摩市では、3月に市議会での議決を経て『多摩市健幸都市宣言』を制定しました。市民の皆さん、議会、行政が一緒になって、都内でもトップクラスの健康寿命にさらに磨きをかけ、健幸まちづくりを始めようというスタートラインに立つことができたかなと思います。

 そして、8月にはNHKのラジオ体操の中継が早朝の宝野公園で行われました。多摩市で多くの皆さんが健康づくりにいそしんでいる様子を全国の皆さんに知っていただく機会となりました。台風の余波で小雨まじりでしたが、1100人以上の方に集まっていただいたことも、良い思い出になっています。

 また、健幸まちづくりと合わせて、ニュータウン再生についても動き始め、昨年末には東京都による尾根幹線整備に関する説明会も開催されました。多摩市にとって長年の大きな課題となっていた道路が整備に向けて動き始めたことは率直に良かったなと思います。

 さらに昨年は、シティセールス政策監として東京都から若林和彦さんをお招きしました。現在、シティセールスに関する戦略の策定作業に入っています。シティセールスについて言えば、昨年、来街する皆さんに多摩ニュータウンの遊歩道と、よこやまの道を歩いていただくMAPを作ることができました。さらに健康づくり推進員の皆さんが、歩くことから健幸まちづくりを進めようということで、多摩センター、永山、聖蹟桜ヶ丘を中心とした3種類のMAPを作ってくださったということも昨年の大きな成果かと思います」

 ――昨年はじめに、2017年は「健幸まちづくりの大きな一歩となる年」と伺いました。その成果、手応えを感じていらっしゃいますでしょうか。

 「市内で筋肉量・血圧等が測定できる『健幸スポット』を5カ所設置しまして、中でもグリナード永山においては多くの皆さんに活用していただいております。またグリナード永山会さん、地元の多摩大学さん、(株)ファンケルさんなどとの連携によって、この『健幸スポット』を利用していただきながら健康に関する講習会や健康相談を行うイベントを開催いたしました。いずれの回も多くの皆さんにご参加いただき、健康に関心を持っていただけて良かったなと思います。

 また昨年11月9日には、地元の多摩大学・寺島実郎学長、順天堂大学・樋野興夫教授をお招きし、また多摩市医師会の田村豊会長や日本医科大学多摩永山病院の吉田寛病院長などもお招きして、”顔の見える関係の医療”に関するシンポジウムを開催することができました。市民の皆さんに、今、健幸まちづくりがどのように進んでいるのか、そしていざという時に、特に医療・介護・福祉の従事者の皆さんが顔の見える関係をつくることで、例え病になったり、あるいは齢を重ねることにより何らかの障害を負ったとしても、このまちで幸せに生きられる、そんな仕組みづくりが今動き出しているということについても理解をいただけたのかなと思います」

 ――公共施設の問題は依然として市民の関心の高いところです。特にパルテノン多摩・図書館について、進捗はいかがでしょうか。

 「昨年末の12月定例議会で、懸案となっておりましたパルテノン多摩大規模改修についての補正予算も議会の皆さんの賛成を得て通ることができました。平成28年度当初予算審議の際に、議会から『議会や市民との情報共有、意見の反映に努める』『多摩センター地域全体の活性化につなげる』『トータルとしての経費の抑制』の3つの附帯決議をいただいておりました。これらについては昨年、市民の皆さんと一緒にワークショップを開催するなどして、多様な角度から色々なご意見をいただきました。

 一方、市議会では、パルテノン多摩に関する特別委員会の中で真摯に討論・議論をいただきました。都市計画税を使えるからといっても、市民の皆さんからいただいた税金であることには変わりありませんので、今後も市民の皆さんにご説明させていただきながら、パルテノン多摩の大規模改修が市民の皆さんにとって『このように改修してもらってよかったな』と思えるように衣替えしていきたいと思っております。

 また、図書館についても、教育委員会で図書館の基本計画、その他について動き出すことができると思っています。図書館の施設自体については、柳田邦男先生を中心にまとめていただいた図書館基本構想に関する委員会による多摩中央公園をベースにした『知の創造のための空間』というコンセプトを活かした基本計画をぜひ結実したいと思っております」

 ――2017年は、第五次多摩市総合計画の第2期の折り返しの年でした。

 「第五次多摩市総合計画では『みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩』ということを掲げて進めて参りました。その中で待機児童対策を1番に掲げていましたが、昨年、他の自治体に先駆けて認証保育所を単願で希望される方に補助を行うというインセンティブを設けた結果、市内で認証保育所に入られる方が非常に多くなっています。それによって認可保育所の方では、ある程度多くの皆様にお入りいただける状況の見通しが立ったのではないかと思います。

 6つの『目指すまちの姿』でみていくと、『子育て・子育ちをみんなで支え、子どもたちの明るい声がひびくまち』については、今お話をしたような新たな施策や学童クラブなども充実させてきておりますので、待機児童対策等はある程度達成できたのかなと思います。さらに他の自治体で『子育てコンシェルジュ』と呼ばれる『子育て支援マネージャー』を市内8カ所に置いて、地域子育て支援拠点施設ということで進めてきました。多摩市で子育てできる、子育てしたいと思っていただけるような施策も打ち出すことができたのかなと思っています」

未来への投資も「若い世代」応援する予算編成に

 「『みんなが明るく、安心して、いきいきと暮らしているまち』については、健幸都市宣言、ライフステージに応じた健康支援、市民自ら取り組む健康づくりへの働きかけなど、地域福祉の推進という点では前進できたかなと思っています。

 また『みんなで楽しみながら地域づくりを進めるまち』については、コミュニティセンター、自治会・管理組合、あるいは公民館、社会福祉協議会における多摩ボランティア・市民活動支援センターの活動など、市民主体の地域づくり、まちづくりも進めてきています。『わがまち学習講座』をはじめ、行政や公民館で行っている施策、健幸まちづくりにおける施策を通して、多様な担い手、特に市民自身が多摩のまちづくりにこれからも中心となっていく。そういう意味では各地域でのイベントや安心・安全、防火防災など着実に進めることができたのかと思います。

 『働き、遊び、学び、みんなが活気と魅力を感じるまち』では、『多摩ニュータウン再生推進会議』で今年も2月にニュータウン再生に関するシンポジウムを開催いたします。昨年、市内の空家に関する全戸調査を行い、想像していたより空家がないということがわかりました。現在、住み替え支援などを含めて、これから先も多摩市に魅力を感じて住み続けていただけるようにしていきたいと思っています。特に、諏訪・永山地域においては、綺麗なパンフレットでこれからのまちづくりをPRしていきますので、ぜひ多くの不動産事業者の皆さんにもご覧いただきたいと思っています。

 次に『いつまでもみんなが住み続けられる安全で快適なまち』についてですが、東日本大震災から7年が経とうとしています。いざという時に備えた体制づくりのために、消防団や多摩消防署との連携を進め、犯罪のないまちづくり、住みよいまちづくりをさらに進めていきたいと思っています。

 『人・自然・地球 みんなで環境を大切にするまち』では、地域で環境を大事にし、里山緑地などの保全や身近な所でのゴミ拾い、地域の清掃活動に協力していただいている皆さんへの表彰を行う仕組みも新たにつくりました。生物多様性のガイドラインもまとめることができた他、グリーンボランティア森林会はじめ、地域の公園を維持していこうとする皆さんの活動も厚みを増してきています。環境についての取り組みをこれからも継続して進めていきたいと思っています」

 ――来年度の予算編成、具体的な施策についてお聞かせください。

 「総合計画第2期基本計画の3つの柱でいえば、『健幸都市(スマートウェルネスシティ)・多摩の創造』は、健幸都市宣言を踏まえて、さらにこの輪を広げていきたいと思っています。今年2月にはライフウェルネス検定もスタートします。特に地域包括ケアなど、医療・介護・福祉の顔の見える関係を深めていき、地域での支え合いを基盤とした永山モデルに続く第2のモデルなどもつくっていきたいと思っています。

 『市民がデザインするまち・多摩の創造』については、昨年、オープンデータとして、多摩市の決算事業報告書などをエクセルなどのデータで市民の皆さんに公開することができました。さらにICTを活用し、わかりやすい情報公開・情報提供に努めていきたいと思います。ホームページも更新し、モバイル端末等で多摩市の状況をわかりやすくみていただけるようになりました。また、子育てアプリや、ごみの分別アプリなどにも取り組んでおりますので、さらにその輪も広げていきたいと思っております。

 『発信!未来へつなぐまち・多摩』では、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機としたレガシィの創出に向けて、全庁を挙げて気運醸成に取り組んでいきたいと思いますし、本市の魅力を発信するシティセールスも推進していきたいと考えています。また、教育分野では、『日本一英語を話せる』子どもたちを育成していくために、4月以降に全中学校でオンライン英会話を学べる仕組みが実現できたらいいなと思っています。

 大きな柱としては、これまでの健幸まちづくりをさらに一歩進めて、特に若者、子ども、子育て世代の皆さんを応援できるような予算編成に結び付けていきたいと思います」

 ――最後になりますが、市民の皆さんへメッセージをお願いします。

 「昨年は、国内外で色々な動きがありました。私としては、今年は落ち着いた1年になればと思っています。2月には、地域の皆さんの念願だった和田・東寺方地域のコミュニティセンター「大栗川・かるがも館」がオープンを迎えます。パルテノン多摩・図書館など未来への投資も、議会の皆さんの協力を得ながら進みはじめます。ぜひ多くの市民の皆さんと一緒に、いつまでも健やかで幸せなこのまちに住んでいてよかったと思っていただけるよう進めてまいりたいと思っています。この1年が幸せな年になるように、私も祈念しておりますので、ぜひお一人お一人良い年にしていただきたいなと思っております」
 

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