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多摩 人物風土記

公開日:2021.06.10

先月行われた関東インカレ(1部)のハーフマラソンで優勝した
ライモイ・ヴィンセントさん
国士舘大学4年

「スターへ」 家族への思い力に

 ○…ハーフマラソンは日本学生歴代2位となる記録をもつ得意種目。今回のレースでは他大学の留学生選手2人と競り合い、ラストで抜け出して勝利をつかんだ。「勝つことしか考えていなかった。関東インカレは4年目にして初優勝。うれしいです」。起伏の激しい難コース。アップダウンの激しい永山にあるキャンパスでの練習で培ったスタミナが生きた。

 ○…大学入学に合わせ、母国ケニアから来日。1年時から、留学生エースとして関東インカレのほか、正月の箱根駅伝で活躍し、脚光を浴びるように。ただ、当初は走ることに「深い意味」をもたせることができなかったという。だが、情熱をもって競技に取り組むチームメイトらの姿を目の当たりにするうちに使命感をもつようになった。今では「大学のために」が強さの理由の1つになっている。

 ○…この3年間で日本の生活にも慣れてきた。入学直後は周囲の言葉が分からず、自然と口数が少なくなっていたが、徐々に日本語を理解するようになると元々の明るさが前面に。同級生らとの会話を楽しみ、日本の食事を苦にすることもなくなった。ただそれでも、母国にいる両親へ電話をかける時は「ほっとする」が正直なところ。7人兄弟の長男。がんばらないと、と意気込みを新たにする時でもある。

 ○…「有名になりたいんです」。来日当初から目指してきたことだ。今回の優勝がその目標に一歩近づけてくれたと考えている。「次は箱根駅伝での区間賞」と語り、大学卒業後、プロランナーとして注目されるためにも必要なタイトルと捉えている。「将来は走って、家族を支えていきたい」。息抜きにユーチューブで日本のお笑い番組も見るという24歳。スターの座は目の前だ。

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