多摩市らが、大学生がアイデアを出す郊外住宅地の回遊プランづくりの後押しを行う。官民学連携事業として取り組み、新型コロナの感染拡大によって疲弊する市内経済の活性化につなげたい考えだ。
「多摩地域マイクロツーリズムプロジェクト」として来年の2月以降に複数プランの発表を目指す。多摩・稲城両市に、企業の事業に関する研究支援などを行っている多摩大学総合研究所(聖ヶ丘)と京王観光(株)で事業を進める実行委員会を構成。大学生のグループにプラン構築のための勉強会を実施し、企画案を生み出す土壌をつくったうえで、企業らに協力を求める。
「我々は場をつくる役割。行政などでは思い浮かばないような回遊プランを生み出してもらいたいと考えている」と実行委員会のなかで幹事役を務める多摩市の担当者は話し、現在までに30近い学生グループからこのプロジェクトへの申し込みがあったという。
今後は8月初旬に学生らが企業向けに企画案を発表する催しを行い、そこで学生の企画に興味をもった企業には「継続的に支援してもらえるようにしていきたい」と市担当者。そして、9月以降にプランの有効性を確かめる実証実験を行ったうえで、その完成版の発表会を来年2月に開催する予定と話している。
市内活性化に期待
このプロジェクトによって市らが期待することの1つが、コロナの感染拡大によって疲弊する市内経済の活性化だ。
自宅から1、2時間程度の距離で行ける近場の観光場として多摩や稲城周辺を回遊してもらえるプランが生まれれば、地域経済の活性化につながると考えている。「旅行会社の星野リゾートが『コロナ禍における旅スタイル』として提唱する近場の旅の考えを参考にした。この企画は学生たちのコンテストという側面もあるが、これをきっかけに、企業が実際に採用したくなる多摩などの郊外住宅地でも生きる回遊プランが生まれればと思う」と市担当者。
そして、多摩であればニュータウンの高齢化の解決につながるものや、みどりの多いことなど街の魅力の再発見する機会となる企画を期待しているとしている。
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