創立45周年を4月に迎えた多摩市民謡連盟の会長を務める 白井 美恵子さん 連光寺在住
音色に惹かれ伝える役に
○…人々の暮らしのなかから生まれ、唄や三味線、尺八によって皆を励まし楽しませる民謡。その愛好家らで構成される連盟を率いて5年になる。多摩市周辺で活動する9の流派。普段は別々に活動しているが、春と秋に開く合同の発表会が仲間であることを実感する場になる。「5月には45周年を記念した特別な発表会を開くんです」。自身が「顔」となることで、著名なゲストがそろった。
○…三味線と唄で魅了する自身の流派を多摩で立ち上げて長い時間が過ぎた。生まれ育った石川県で日本舞踊を習いその時に背景で流れていた三味線の音色に惹かれたことが民謡に目を向けるきっかけになった。上京し結婚、出産した後、その音色を求めて三味線を弾いてみるとどんな音色も生み出せることを知ることに。今も民謡に魅了され続けている理由。「家族の理解があってこそ続けて来られた。感謝しかありません」
○…几帳面な性格だ。稽古場はいつも整理整頓され、朝一のルーティンとして定着している庭いじりでは草をむしり、花がより綺麗に見えるように規則正しく手を加える。「つい何度も手を加えてしまう。庭師になりたいと考えたこともあるんです」と微笑み、そんな朝の儀式は心を整える時でもあると振り返る。
○…この近年は伝統を次世代へとつなぐことも意識し始めたという。数年前から多摩市の協力を得て、子どもたちに民謡を指導。5月に開く発表会には子どもたちのステージも用意した。「子どもに教えると親御さんたちにも興味をもってもらえる」と親子の発表と書かれたプログラムを覗き込む。「一人でも多く、民謡の魅力を知ってもらえれば。伝えていくのが私の役割」。その実現を夢とする。
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