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多摩 人物風土記

公開日:2023.02.16

多摩市を拠点にLGBTに関する相談に乗る一般社団法人・代表理事を務める
田附 亮さん
国分寺市在住 37歳

「で、それがどうした」転機に

 ○…性的少数者が取り上げられる機会が増え、当事者として橋渡し役ができればと活動を始めた。性的少数者のトイレや更衣室をどうするのかなど、企業や団体などからの相談に乗り、そこから得た収益の一部は環境問題解決のための取り組みに。昨年11月にはその活動が地球温暖化の対策として評価を受けた。「実績が無い団体なのに。期待込みのものと考えています」

 ○…生まれた時の性は女性で、今は男性と認識しているトランスジェンダー。海外で生まれ育ち、多摩で暮らすようになった小学生時代から自分の性へ違和感をもつようになった。誰にも話せず、苦しい毎日。転機は大学入学後だった。アルバイト先の居酒屋で自身のことを上司らに打ち明けると、「で、それがどうしたの」と変わりなく接してくれたことが悩みを消し去った。人生が前向きになった瞬間。感謝を忘れたことはない。

 ○…「すぐ気が大きくなってしまうんです」と自身の課題を挙げる。背景にあるのが強いネガティブ思考。弱さに負けまいとする思いが前面に出てしまう。ただ、現在はそんな気持ちを理解した上で支えてくれる存在がいる。「嫁ちゃん」と呼ぶパートナーだ。出会ってから、「2人で何ができるか」を共に考えてきた。「そろそろ妊活を」--。今は希望しかない。

 ○…現在、波紋を広げている同性婚に関する差別的な発言などに対しては怒りや悲しみを覚えることなく、性的少数者に対して国の意識が向き始めたと捉える。一方で危惧するのが逆差別。LGBTだからと特別を求める人が増えていると実感している。「性的少数者は特別な存在ではない。みんな同じ人間。そんなところも周知していければと思います」

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