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多摩 人物風土記

公開日:2023.10.05

無料塾「一般社団法人慈有塾」の代表理事を務める
高木 実有さん
多摩市在住 

生徒との幸せのために

 ○…2014年、聖蹟桜ヶ丘駅近くに「慈有塾」を設立。ボランティア講師約10人と、家庭環境に恵まれないなどの理由で満足に教育を受けられなかった生徒に勉強を教えている。無料塾を始めたきっかけや様々な生徒との出会いを語った講演を諏訪の商店街で行うと関心の高い来場者が集まり大盛況だった。「ボランティアに参加したいという声も頂き貴重な機会だった」と振り返る。

 ○…「自分は家出少女でした」と明るく話す。それでもアルバイトをしながら中央大学に入学し、在学中に学習ボランティアを始めた。最初に教えたのは家出していた時に知り合った後輩。それから約15年にわたり学習支援を行っている。慈有塾では高校を卒業できなかった人を対象に就職などに活用される高等学校卒業程度試験合格をめざす。「生徒から合格の知らせを受けた時は幸せです。我が事のようにうれしい」

 ○…学生時代、塾講師のアルバイトをしながら陸上部のマネージャーとして青春を謳歌した。中央省庁やNPO等でインターンや勤務し様々な経験を培った。在学中から市内に住んでいたため「愛着のあるまちで働きたい」と市内で公務員として働く。3人の子どもを育てる母親として慌ただしい日々を過ごすが、「子どもたちと市内のイベントや近所の公園に行くのが楽しみです」

 ○…教室は八王子や葛飾区に広がり需要は高い。奨学金制度が整い、大学進学や留学の支援も行う。「高校を卒業できなかったという生徒はよっぽどの事情があったはず。必要とする人は無くならないのでは」と求められる限り続ける構えだ。「勉強を教えるのが好きなんです。ボケるまで続けていこうかなと思ってます」。笑顔で語る姿が頼もしく見えた。

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