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公開日:2024.01.18

多摩商工会議所
「龍のように経済上昇を」
伊野会頭が新年に抱負

  • 力強く語る伊野会頭

 多摩商工会議所(伊野弘明会頭)は1月5日、新年賀詞交歓会を京王聖蹟桜ヶ丘SCアウラホールで行った。当日は市内の財界人や会議所関係者などが数多く訪れた。挨拶に登壇した人の中からは、元日に発生した能登半島地震の被災地を心配する声も聞かれたが、新型コロナ流行後、5類に移行して以来の賀詞交歓会とあって、参加者同士で新春を祝った。

 冒頭、伊野会頭は能登半島地震で被災した地域の人や事業所への心配の声を表すのと同時に、復興復旧、事業の再開を願った。

厳しい環境続く

 そして、昨年を振り返り、新型コロナウイルス感染症が2類から5類に移行し、経済活動も正常に戻り、景気も徐々に良くなっている状況と判断。「外国人観光客もコロナ前に戻りつつ、インバウンド消費も好調のようだ。一方で、企業については原材料、エネルギー価格の高騰、円安、人手不足、人件費高騰など特に中小企業を取り巻く環境は依然厳しい」と述べた。

適正価格の維持を

 また、昨年に日本商工会議所の小林健会頭が多摩市を訪れ意見交換を行ったことを振り返り「小林会頭からはこれまでのように良いものを安く売る時代から、良いものは値が張るという適正価格で商売していく時代になっている。特に地域経済を支えている中小企業、小規模事業者が生産性を向上させ継続的な賃金向上を図ることが大切で、そのためには適正な価格転換を行い、利益を確保することが重要と話されていた」とし、価格転換は中小小規模事業者には厳しい課題ではあるが取り組んでいく必要があることを強調した。

マル経50年

 さらに、伊野会頭は昨年、商工会議所の支援ツールである商工会議所の経営相談を通じて推薦を受けた小規模事業者が無担保、保証人不要の条件で日本政策金融公庫から低利で融資を受けられる制度「マル経融資制度」が制度発足50年を迎えたことにふれ、「1973年当時は無担保、保証人なしは常識に反するという考えが一般的でした。このような中、大蔵省(当時)と精力的に折衝に臨まれたのが日本商工会議所の永野重雄会頭でした。永野会頭は小規模事業者は社会的にも経済的にも我が国の重要な基盤を構成している。日本経済は大中小の石が石垣のように組み合わさることで強さを発揮していると訴えています。石垣論を唱えながらこの融資制度を実現された」と功績を振り返り「この中小企業、小規模事業者の経営支援をしている商工会議所の役割は大きいと改めて思った」と話した。

地域の発展を

 その後、多摩商工会議所は地域経済団体として会員企業と共に官民連携しながら地域経済発展のために、鋭意努力していく決意を示した。

 最後に伊野会頭は「今年は辰年で十二支の中でも最も威勢のある干支です。『偉人はいつも心に辰あり』という言葉があります。成功者や偉人はいつも心に龍のごとく勢いのある向上心を持っているという意味です。今年こそは会員企業の皆様、元気で日本経済が天に上る龍のように上昇していく年になりますようお祈り申し上げる」と力強く語った。

 来賓として阿部裕行市長や長島昭久衆議院議員、小礒明都議会議員、石川良一都議会議員らが挨拶を行った。

 また、新春公演としてタレントの坂本冬休みさんのステージが披露されると会場は盛り上がりを見せた。

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