マリアナ政府観光局から名誉観光大使として表彰された 中山 京子さん 多摩市在住
マリアナと日本 架け橋に
○…マリアナ諸島と言われて所在が浮かぶ人は珍しいかもしれない。大平洋西部、小笠原諸島のさらに南方にある、グアムやサイパンなどを含む諸島だ。これらの島の歴史や文化を正しく理解し広めよう、と大学教授としてさまざまな取り組みを展開。書籍、論文、ついには先住民族に受け継がれる伝統ダンスを踊るグループも立ち上げた。その活動が評価され、マリアナ政府から感謝の意を示す名誉観光大使の楯が贈られた。
○…小学校の教員時代、勉強会で日本軍によるグアム侵攻の歴史を初めて知り、「ショックだった」と振り返る。しかし、グアムと言ったら日本人には馴染みのリゾート地。いても立ってもいられず現地に向かい、住民たちに話を聞いた。島内で語り継がれる辛い記憶を抱えながらも、過去を乗り越えようと明るく振る舞う住民たち。その姿に心打たれた。「この話を共有しないと」。以来、表面的でない、本当の歴史を書籍などで紹介してきた。
○…国際交流活動に従事するようになった原点は、大学2年の時に行ったアメリカ・シアトル留学だ。たった1カ月間だったが、「英語が伝わらなすぎて、毎日ホームシックだった」と振り返る。言語や文化の違いに打ちのめされたが、それでも伝えようと試行錯誤することの大切さ、そんな自分に向き合ってくれた人たちの優しさ…今につながるさまざまなことを持ち帰った。
○…帝京大学教育学部初等教育学科の教授の他に、同大学総合博物館の副館長の顔をもつ。今春には、マリアナ諸島を紹介する企画展の第2弾を同館で行う予定だ。「学生たちが世の中を知るチャンネルが一つでも増えれば」。架け橋としての役割を楽しみながら果たす。
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