(社福)県央福祉会(佐瀬睦夫理事長)は、障害を抱える役者を起用して製作した、主に障害者施設職員向けの研修ビデオを10月から発売した。
同法人では、「『さん』づけで呼ぶ」「個人的な感情や感覚で対応しない」など、基本的な考え方をまとめた「倫理行動マニュアル」を制定している。現在、県内で約140カ所の事業所を運営する中で、教育の均質化を狙い、新人でもマニュアルを理解しやすくするため、ビデオの製作を決めた。撮影は福祉創造スクウェアすぷら(上和田)で行われ、今年3月に完成。質の高い作品となったことから、法人外でも活用してもらおうと発売に至った。
リアルを追求
「より現実に近づけることを意識した」と佐瀬理事長は話す。利用者役には、知的障害児・者タレントが所属する芸能事務所、(一社)K‘sスペシャルニーズエンターテイメントの役者が出演。同事務所と連携し、障害者の役者が出演した研修教材は前例がないという。撮影では職員が同席し、目線や立ち位置などを細かく確認した。
ビデオを製作した背景には、「津久井やまゆり園」事件があった。佐瀬理事長は「施設職員が差別意識を持って凶行に走ったことに衝撃を受けた。業界全体の問題として、職員への教育の必要性を一層強く感じた」と力を込める。ビデオはボランティアの養成など、教育現場でも活用できるという。
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