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大和 経済

公開日:2022.02.18

先輩の背中追った半世紀

  • イースタン技研株式会社常勤顧問内山 晧さん(74歳)

 巣鴨で薬局を営む実家。5人きょうだいの中から「恐らく誰か医者にしたいと思っていた」と当時の父の気持ちを推量する。思いには気づいていたものの好奇心には勝てず理工系に進学した。

 昼間は富士ゼロックスのメンテナンス専門会社に勤めながら夜、大学へ通った。大学の2年先輩で学生会の執行委員長だった先輩こそ現会社の河西正彦会長。後に執行委員長を託された。「先輩の背中をずっと追いかけてきた半世紀。でも追いつけず、離れていくばかり」と少し嬉しそうに笑った。

 技術者として入社後、営業部門に回り地方の営業所開設に腕を揮った。市場の開拓と人材の育成、後を託してまた次の拠点を作る。「顧客の需要を探り、より良いものを提案する」ことで自身も会社も成長し、顧客との信頼関係を築いた。

 いわゆる「団塊の世代」のフロントランナー。コンピューターをはじめとする今では当たり前となった技術の発展と並走してきた。「この時代に生まれて良かった」と元・機械少年はしみじみと嘆息した。

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