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大和 人物風土記

公開日:2022.10.28

大和市産りんごを一般販売する
小川 賢一さん
上和田在住 56歳

生粋のチャンスメーカー

 ○…「りんごを大和で育てられるんですか?って、よく驚かれますよ」と笑う。市内に2軒あるりんご農家だが、大和市産りんごを販売するのは小川果実園一軒のみ。従来のりんご栽培と異なる収穫作業の効率を上げ、生産量の増加を図る「高密植わい化栽培」を取り入れる。「元が技術職だから創意工夫することが好きなんだよね」。

 ○…15代続く農家に生まれた。家業を継ぐものと農業高校に進学。しかし高校時代の担任に勧められて進学した大学で測量の魅力にとりつかれた。「なんといっても出来上がったものの規模が大きい」と話し、愛川町にある宮ケ瀬ダムや新東名高速道路などの建設に携わる。やりがいも感じていたし、父親からも「長男だからとこだわらず、好きな道に進め」と言われたが、頭の片隅には「いつかは…」との思いはあった。

 ○…9年前に父親が亡くなり、兼業農家としてスタート。「最初は平日は仕事、仕事が休みの日に畑仕事をしていたけども、やっぱり難しくて」と苦笑い。家族を説得し、家業に就くにあたってのハードルは決して容易くはなかった。父親から継いだのは野菜畑だけではなく80本の木が植わる柿畑。思うような成果が感じられず6年前に「誰もがやらないこと。特化した作物としてりんごを選んだ」と作ったものに日の目を当てるチャンスを狙った。

 ○…母と妻、子ども2人と暮らす。息子から「農家を継ごうか」と声を掛けられたが、自分が父に言われた言葉を返した。「私自身サラリーマン時代の経験が今も非常に役立っている。時がきたら息子も考える時はくるからね」と息子を慮る。りんごの次に柑橘類の販売も検討中。みかんや湘南ゴールド、レモンほか35本が畑に植わる。

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