文部科学大臣杯「第14回全日本少年春季軟式野球大会」(主催/県野球連盟)が9月から10月にかけて県内で行われ、大和市内の8公立中学校の野球部員で構成された選抜チーム「大和市中学校」が初出場し3位に入賞した。少子化による慢性的な部員不足の解消や、競技レベルの底上げを目指して作られたチームが、躍動している。
この大会は、来年3月に行われる春季全国大会の出場権をかけた県予選。中体連に加盟する中学校野球部だけでなく、クラブチームや選抜チームを含む16チームが出場した。
例年、大和市では各校の野球部が県央大会を勝ち上がりこの大会に出場してきたが、今年は野球部のない上和田中を除く公立8校から集められた選手で構成された「大和市中学校」が初めて組織され、大会に挑んだ。
選抜チームができたのは今年8月上旬。引地台中の杉山俊裕野球部顧問(34)を中心に数年前から選抜チーム構想は温められ、今回各校の2年生から数人が選出され総勢20人からなるチームが船出した。杉山顧問が監督に就き、主将は引地台中の平野遥大選手(2年)が務めた。
県予選の出場権をかけた県央大会から選抜チームは躍動。初戦の南毛利中に13対1で快勝すると、勢いそのまま一気に優勝まで駆け上がった。
県央大会までに選抜チームの合同練習はわずか3回。面識のない中学生20人が打ち解けるには時間が足りない中だったが、「一人ひとりの技術や野球の理解度が高く、試合では自然と息の合ったプレーができた」と平野主将は振り返る。
続く県予選では、全試合4番に座った主砲の丸山祥汰選手(大和中)を中心に得点を量産し、初戦の逗子開成中に9対0で勝利した。横浜メビウスBBCとの2回戦はエースの廣瀬憲聖投手(引地台中)らの力投で完封。準決勝で横須賀ファイターズに敗れるも、3位決定戦に勝利し、今年11月に行われる「第25回関東・東北・北信越少年新人軟式野球大会」の切符を手にした。
時代に対応した部活動の在り方
杉山監督によると、各校野球部の部員数は15人から25人ほど。渋谷中は10人を切っており、他校に助っ人を頼み試合を行っている状況だ。
今回の選抜チームの結成は、これらの課題を解決するきっかけの一つになったようだ。平野主将は「高いレベルでプレーできて自分が成長したと感じる。この経験を野球部に持ち帰り、引地台中野球部のレベルアップにもつなげたい」と話す。
杉山監督は「多くの選手に選抜チームに参加してもらいたい。野球の技術だけでなく、他校の選手たちとプレーを通じて、コミュニケーション力や思いやりも身につけてほしい」と期待する。
選抜チームは、来年以降も活動する方針だ。
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