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大和 意見広告

公開日:2023.04.07

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真の「子育て王国」となるために
病児保育室施設長 西田 えみ

 私は中央林間で保育施設の施設長を務めています。大和市の子育て支援に携わる中で、市の「子育て王国」という標語に違和感を感じています。

 親御さんたちの最大の心配事は復職のタイミングで希望する保育施設に入園できるかどうかです。大和市は保育園の増設や待機児童対策に力を入れ、市広報などでは「待機児童連続ゼロ」とあります。しかし、市内南部で定員割れを起こす保育園が出る一方、北部では数百名単位で「隠れ待機児童」が発生するなど、保育需給に不均衡が生じています。

 また、園庭問題も深刻です。現在、市内の半数以上が園庭なしの保育園です。保育園が子どもたちの五感を十分に育てるような環境となるべく、行政が責任を持って整備していく必要があると思います。保育園は「単なる預かりの場」ではなく、人格形成の礎となる大事な乳幼児期を過ごすいわば「乳幼児教育の舞台」。専門性の高い保育士の自治体間での争奪戦は待ったなしの状態ですが、現状、大和市の保育士の処遇は周辺自治体と比べて後れを取っています。一刻も早く待遇改善を進め、人材獲得競争に向き合う行政の先見性と気概が求められています。

 昨今、核家族世帯が増えたため、コロナ禍で初めての育児に奮闘する方が孤独を感じることが多くなっているようです。このような中で、産後うつについての認知度は高まっています。産後のママたちを「孤育て」させないためにも、今後ますます産後支援の重要性が高まることでしょう。

 親御さんたちの悩みはお子さんの成長とともに変化していきます。子育て支援においては、ていねいに向き合い、励まし、背中を押すことが大切です。見せかけの数字に踊らされるのではなく、心が通う支援ができる自治体こそが「子育て王国」を名乗るにふさわしいのではないかと考えています。

西田恵美

大和市下鶴間250

TEL:080-2108-8890

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