自治会の加入率低迷が各地で課題となる中、大和市の深見地区にある「坊の窪自治会」(263世帯/家永稔之会長)が、デジタル技術(DX)を活用して自治会活動に関わる業務の効率化を進めている。若者世代の減少と、地域住民の高齢化を背景に進む「自治会離れ」に歯止めをかけるべく奮闘する同自治会の取り組みとは。
デジタル回覧約半数が登録
家永会長(43)が自治会長に就任したのは今年4月。現役プログラマーの顔を持つ家永会長は、高齢の自治会員たちにとって負担となっていた回覧板のデジタル化に着手した。
従来は紙の回覧板を会員世帯に回覧していたため、次の人に届けることが負担となっていただけでなく、情報の浸透に時間を要する点も、自治会の課題になっていた。
そこで、家永会長は、無料通話・メールアプリの「LINE」を活用して会員のスマートフォン(スマホ)へ回覧情報を配信する仕組みを構築。4月までに役員を中心に15人ほどが登録していたが、6月8日時点で、「およそ半数の会員が登録済み。デジタル回覧板も浸透してきた」と家永会長は明かす。
一方、従来通りの「紙」を希望する人もいることから、デジタルと紙を併用している。
会館予約も簡単に
さらに、自治会館の利用予約にもデジタルを取り入れた。LINEとGoogleカレンダーを連携させてスマホから予約するシステムで、予約完了後に表示される暗証番号をキーボックスに入力すると開錠して鍵を取り出せる仕組みだ。
これまで鍵は役員が自宅で保管していたため、鍵を借りる際は予定を調整する必要があったが、この問題も解消した。家永会長は「なるべく負担を減らし、『自治会に入って良かった』と言われる自治会運営を目指したい」と話している。
大和市の自治会加入率は2015年4月時点が68・8%に対し、その後は減少を続け、24年同時期は56・8%まで落ち込んでいる。
![]() デジタル回覧板の画面。月ごとに閲覧も可能だ
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