有馬図書館で「郵便展」を企画した 河原 克彦さん 門沢橋在勤 55歳
今日に全力を注ぎたい
○…有馬図書館で始まった郵便をテーマにした企画展の発案者。郵便局に勤務した後、図書館職員に転身した経歴を存分に生かし、練りに練った企画で来館者の足を止める。貴重な記念切手や昔懐かしい丸型ポストの模型など展示物も話題だが、「手紙を書く文化を見直してほしい」と、切手の図柄を使い封筒の宛名面に物語を描く「絵封筒」の世界を紹介するなど、郵便に対する熱い思いがびっしりと詰まっている。
○…配達のため雨の日も風の日もバイクで駆け回り、届け先で「待ってたのよ」「ご苦労様」と何気なく、掛けられる一言がパワーの源になり次の届け先へ。「あったかい人が多くてね。人から人へ、幸せを届ける手伝いが出来ていた気がしますね」と、30年に渡った配達人時代を振り返る。
○…これから何をしたいという質問に「ないです」とキッパリ。この答えの根底には51歳のときに患った大病がある。朝起きて鏡を見ると、右顔がだらんと垂れていることに気付いた。家族に話しかけようとするも、言葉が出てこない。脳梗塞だった。大事には至らなかったものの、その後も再発を繰り返した。「もうダメかも知れない」。命の限りを感じ、「今やりたいことは、あすに回さないようにしよう」と考えるようになった。
○…妻の実家は福島第一原発事故の放射能の影響で、現在は立ち入りが制限されている区域。被災地へ足を運ぶたびに、被災者一人ひとりにストーリーがあったことを思い浮かべる。残っているものは全て宝物。自分が配達していた「手紙」には絵や字など、その人の温かさがたくさん詰まっているものになっているはず。今回の企画展には「1年後の自分に手紙コーナー」を置いた。「いつ何が起きるか誰にもわからない。やりたいことがあったら始めてほしい。夢があったらそれに向かってほしい」と机に体を乗り出し、熱い思いを語る。
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