海老名・座間・綾瀬 意見広告
公開日:2015.07.17
夢は あきらめずとも
意見広告
今ここに、改めて「感謝」
元・海老名市議会議員 わたべ美憲
まだ寒さ厳しい今年の1月13日、50歳の誕生日のその日、仕事で遅くなったものの両親の様子が気になり誕生日の報告を口実に実家へ向かいました。介護が必要な状況でしたが自宅生活がいいと、チグハグで危なっかしい生活を送っていた両親は、もう子どもの誕生日など思い出すこともない生活をしていました。案の定、母は体調を崩し横たわっていたものの、父は「そうかそうか」といいながらも「今日はご飯も食べたから寝るだけだ」と言って、せっかくコンビニで買っていったショートケーキにも手をつけることもなく「大丈夫だ、気をつけて帰れよ」と送り出してくれました。
翌早朝、兄からの電話で「母さんから電話があって、お父さんが倒れているらしい。すぐに実家に行ってくれ」と。不安を感じた私は兄に救急要請を頼み、実家に向かいました。
ここ数年、何回か倒れながらもそのたびに回復してきたことから「今回も大丈夫だろうと」思っていたものの、症状は重く、4カ月後の5月14日、家族の毎日の励ましにも応えることなく、あれから一度の会話もできずに息を引き取りました。
晩年、脳血管性の認知症による感情失禁から「勝手にせぃ!」と子どもの時以上に怒なり、声を荒げることもあった父ですが、一人上京し、苦労をしてきた分、その成功を誇りとし、頑固に自分を貫き、息子達にも厳しく、「勝手にせぃ」どころかどんなときも常に大きな影響ある存在でした。自分の判断を信じ、息子に意見など求めることのない父が、50歳になった息子に、言葉ではなく死をもって「もう、これからは自分で考えろ」と語りかけられた思いです。そして今、私の目の前にはやらなければいけない現実とそれを乗り越えてでもやりたい思いがある。しかし現実はそう甘くはない。今まで自分の思いを優先したきた分、自由にはできない今がある。これも父が与えてきた試練かと。「50歳にて天命を知る」といわれるが、これが天命なのかはわからない。夢はあきらめずとも、現実を選択せざるを得ない。目前にいる母と家族のために。多くの方の期待に応えることができない申し訳なさは言葉にすることはできません。そして悔しさも。今ここに、改めて感謝。
渡部美憲
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