12月18日に「市民川柳の集い」を開催する座間市川柳会の会長を務める 江口 博さん 栗原中央在住 83歳
急がず、こつこつ
○…市川柳会は26年目を迎え、最高齢の90歳のメンバーを含めた16人で活動を続ける。月1回の活動のほか年に1度、一般の人も参加できる「市民川柳の集い」を開催する。「川柳は自分の心の動きや暮らしを表す句」。まずは「他人の句をみて面白いと思うこと」が入り口だという。「毎朝起きて思ったことを1文にすることが出来れば、句は作れるよ」
○…「多読多作」を続け、人に見えない努力をする。忙しいときでも、余暇があっても関係ない。ひらめきと努力の塊。「ぶれない芯と背骨の太さ」が作品の持ち味。「読んで分かりやすく、心の中にすっと入ってくるものが本当の川柳」だという。退職後に本格的に始め、全国から作品が集まる朝日新聞の投稿欄に出品し続けた。1年半したのち、掲載7句のうち1句に選ばれた。その後、次々と掲載され「鼻が高くなっていた」と笑いながら振り返る。しかし、入り口は広いが言葉の使い方や表現が難しく、続ける人は少ないという「やさしいけどきびしい」川柳。「井戸の外を見る」と、通信講座での勉強も20年近く欠かさない。
○…座間に移り住んで40年。東京世田谷の出身。戦争で家が焼け、千葉などを転々とした。父親の知り合いに将棋を教わり始めたのは5歳の時で、大人にも勝っていたという。結婚後も、休日は街の将棋クラブに隠れて通い「妻には嫌がられていた」と懐かしそう。また、仕事のかたわら卓球をしていたことも。選手だけでなく監督も務めた。「ちょっとおもしろそうと思ったら、やれるかな、とすぐのぞいてしまう」そうだ。
○…モットーは「転んだら、すぐ前を向く」。その理由は、8回の手術を行って分かったこと。「人生わりきって、くよくよしなくなった」と話す。妻の介護と家事をする中で、川柳はほっとした時間。「急ぎ足はせず、のんびり」と、一段一段しっかりと、紙の上の真剣勝負に挑む。
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