テレコムセンター(東京都)展望台で夜景写真展を開催している 中村 勇太さん 座間在住 25歳
絶景という秘宝求めて
○…勝負は、日が沈んでからの約15分間。夕方の暖かな光と、夜の闇がグラデーションになって空に現れる。眼下には、一面のイルミネーション。数ある夜景の中でも、一番好きなシーンだ。意外にも志す人が少ないという「夜景写真」の世界に飛び込んで4年。運営するサイト「夜景FAN」のアクセス数は順調に伸び、出版社やTV局などからの協力依頼も増えてきた。そして、ついに念願の写真展開催にこぎつけた。
○…「昼の顔」は、大手新聞社の技術職。膨大で重大な情報を扱う記者たちを、ITの力で支えている。昔からコツコツと努力を重ねる真面目な性格で、生徒会に所属していたこともあった。「真面目なイメージが強いせいか、写真家としての活動を話すと驚かれることも多いです」。時には10kgを超える機材を背負って出勤し、会社帰りに東京の夜景を撮影することも。「意外と体力を使います。でも、すっかり慣れました」
○…夜景との出会いは、2010年。秦野市の有名スポット、「ヤビツ峠」の夜景を目にし、心を動かされた。すぐに各地で撮影を始めたが、撮影の専門的な勉強をした経験はなく、手探りでの活動が続いた。「始めは失敗も多かった。ようやく辿り着いた、と思ったらカメラのバッテリーがなかったり…」。出先で悪天候に泣かされたことも多々あった。「本業としてやっていないために上手く行かないことも多い。でも、その分終わりがない。ずっと宝探しをしている気分」
○…全国47都道府県を制覇し、巡ったスポットは800を超えた。「今後は発信するだけでなく、新たな輪を広げたい」。現在考えているのは、夜景スポットの清掃ボランティア活動。「夜景の名所の中には、ポイ捨てに関する悩みを抱えているところも多い。紹介して終わりではなく、より良い場所にしていきたい」。まだ誰も見たことがない景色を求めて、全国各地を巡り続ける。
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