鈴鹿明神社神輿保存会・入谷睦(いりやむつみ)の3代目会長に就任した 酒瀬川(さかせがわ)竜也さん 入谷在住 41歳
伝統の重み受け止め、前へ
○…入谷睦の20周年祝賀会の檀上、多くの来賓や会員が見守るなか、芥川薫2代目会長に白色の会長半纏(はんてん)を着させてもらった。入谷睦の半纏を初めて身にまとった時、若頭や副会長に就任した時、その「重み」を常に感じてきた。今回の会長就任は、また特別な責任感や重みを感じている。それは吉川正剛初代会長と芥川2代目会長の活躍を間近で見てきたから。「初代と2代目が築いてきたものをしっかりと守る」――。そう、気を引き締める。
○…1994年に創設された入谷睦。発足当初からのメンバーだが、意外にも10代の頃は神輿との接点が少なかった。転機は20歳の頃。「例大祭で担ぐ姿を写真に撮って欲しい」と友人に頼まれた。そこで目にした光景が鮮烈だった。夏の暑さの中、汗まみれになりながら、一致団結して担ぐ友人たち。「見たことが無いほど良い笑顔。なんか悔しかった」。それと同時に、「この輪に入りたい」と強く思った。1992年から神輿を担ぐようになり、その楽しさのとりこに。今は、楽しさの中にある規律やルールを伝える立場にある。
○…外壁工事を手掛ける、酒瀬川外建を自営している。現在は妻と、3歳から高校1年生まで3人の子どもと暮らす。妻と長男は入谷睦に、次男は入谷陸の「子ども神輿会」に所属するなど、家族そろって神輿に携わっている。休日は家族で公園に出かけるなどゆったり過ごすとか。好きな言葉は「温故知新」。入谷睦や鈴鹿明神社の行事に携わるようになってから、この言葉の大切さを知った。「知らなければいけない伝統があります。まだまだ勉強不足。もっと古き良き伝統を知らないと」と語る。
○…発足からここまでの20年間、仲間に支えられ、助けられてここまで来た。「本当に人に恵まれている」と感謝の気持ちを抱く。20年前に憧れた担ぎ手たちの輪。これからは、その中心を担う会長として、信頼できる仲間と歩んでいく。
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