花のミニ展覧会を開催中の座間市温室花卉組合で組合長を務める 曽根 覚(さとる)さん 栗原中央在住 66歳
原動力は「花が好き」
○…「座間の園芸農家がこれだけの花を作れるというところを見て欲しい」。組合員6人が育てた花々が、市役所1階エレベーター前を華やかに彩る。ミニ展は、今年で21回を数える恒例行事。例年、展示準備や片付けをしていると、見学者から「この花は売っていないの?」と尋ねられることがあるそう。「期間中は展示のみ。でも、興味を持ってもらっている証拠かな」と嬉しそう。
○…農業を営む家の三男として生まれる。農業高校や県の研究施設で勉強を重ね、20歳でバラの生産者として一歩を踏み出した。今は「大きな支え」という妻と二人三脚で、スイートピー栽培に取り組んでいる。「好景気の恩恵に預かるのは遅い。不景気の影響を受けるのは早い」。趣味の品とも言える花の消費は、景気に大きく左右される。組合ではこうした状況を打破するため、市民、特に子ども達に植物に親しんでもらおうと「花育」を推進。市緑化祭りなどで、フラワーアレンジメント体験会を開催する。「参加者も多くて盛況。子どもの作品は個性豊か。教えていて楽しいですよ」と話す。
○…「農業は毎年、1年生」。花や野菜を育てる仲間の間では、こんな格言がある。その年の気候に応じて、栽培方法を工夫する。「自然」が相手なだけに、一筋縄ではいかない。今シーズンも年末から暖かい日が続き、対応に苦慮したとか。「同じ気候は、二度としてない」。それでも約45年にわたり継続できたのは「花が好きだから」。「でなきゃ、ここまで続けられないよ」と言葉を次いだ。
○…11月から4月にかけては出荷作業に追われる日々。一段落する夏は、栗原や座間で開催される「ひまわりまつり」で汗を流す。栽培に、地域活動にと多忙な日々を過ごしている。今後については「やれるだけ、やる」。農業の先輩には、80代でも現役の人が多いそう。「ほどほどに頑張ります」と柔和な表情で語った。
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