アニメにパワー貰い戦う

　○…高校・社会人時代に全国５冠という実績を引っ提げて昨年末にプロデビューを果たしてから、５月までに３試合を戦い、全て１ラウンドＫＯ勝ち。大舞台に物怖じしないメンタルの持ち主で、その重圧をエネルギーに変えてきた。「リングに立てばプロもアマも同じ。集中して相手を倒すだけです」。反省点は、早く勝ちすぎたこと。今後は長いラウンドまでもつれ込むケースも出てくる。冷静沈着に試合を組み立てることが課題の１つだという。

　○…世界で活躍する兄弟ボクサー・井上尚弥さんと弟・拓真さんの従兄。尚弥さんに影響を受け、小学校３年からボクシングを始め、高校生の頃は同じジムでトレーニングした。高校卒業後、自身はアマチュア、２人はプロと、戦う舞台が異なっていたが、昨年末から再び同じ場所に立つように。今は一緒のジムに所属し、地元での早朝ランニングではともに汗を流す。プライベートでも家を気兼ねなく行き来する仲だ。「ライバルでもあり、ボクシングに対する姿勢や考えが尊敬できる。そして、兄弟みたいな存在です」。辛い練習も、ともに歩む２人がいるから乗り越えられる。

　○…大のアニメ好き。特に、女子高生アイドルグループの奮闘と成長を描く「ラブライブ！」がお気に入り。同アニメの声優で結成されたグループのイベントには足しげく通う。趣味はボクシングにも活かされており、入場の時は「アニソン」を流し、好きなキャラのＴシャツを着て気分を盛り上げる。「尚と拓に勧めても、なかなか興味を示してくれない。カラオケで熱唱してもリアクションが薄くて」と笑う。

　○…次戦は６月26日に韓国で予定されている。強豪の外国勢ひしめく中量級は、日本人の台頭が難しいカテゴリー。目標は世界王座だが、当面は日本や東洋太平洋でのランキング入りを目指す。「『オタク』でも勝てる。それを証明してみせます」と力強く話した。