社会福祉法人慈湧会「緑の家」の所長を務める 草間 幸子さん 東原在住 66歳
頼まれごとに全力投球
○…「27年の念願が叶いました」――。障害者の就労支援や生活介護支援を行う「緑の家」が、新たに東原で落成した。1991年に視覚障害者の地域作業所を開所して以来、地域の理解を得て裾野を広げながら活動を続けてきた。「困った時に受け入れられる、地域の拠点となれたら。今まで以上に地域貢献できるよう、活動を進めていきたい」と意気込む。
○…芹沢公園のそばで生まれ育った、根っからのざまっ子。東原幼稚園の立ち上げ当初から10年間は幼稚園教員として勤務した。子育てのため退職するが、「何かしていないと落ち着かなくて」。手伝いを頼まれ、通園センター「サンホープ」での非常勤を機に障害者支援の道へ進むことになった。「当時は地域作業所が何をするのかもわかっていなかった。頼まれたら断れなくて」とはにかみながら語る。地域の理解が必要不可欠な障害者支援。アルミ缶の回収など、利用者と共に地道な活動を続けて信頼関係を築き上げた。「来てくれる人が『毎日楽しい』と言ってニコニコしてくれる。そういった人たちに寄り添えるのがやりがい」
○…高校時代にはソフトボール部の主将を経験。キャッチャーとして二度、国体出場を果たした。「一つのことに一生懸命になる根性は、ここで身に付いたのかも」とにっこり笑う。華道を習っていたこともあり、落成式では会場に生け花を飾った。「ぼーっとしてるのがだめみたい」と、休日も様々な地域行事に参加。忙しくも充実した毎日を送っている。
○…障害者にはそれぞれ異なるニーズがあり、「一人ひとりに応えていくのは大変」と苦悩をのぞかせる。それでも、「できることを一つずつこなしていく」と前を向く。次世代の育成もこれからの課題の一つだ。「地域に愛され、のびのびと事業をやれたら。この場所で必要とされていることに取組んでいきたい」。仲間とともに舵を切る。
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