栗原中央出身でボクシングＷＢＣ世界バンタム級９位の井上拓真選手（22／大橋ボクシングジム）が９月11日（火）、後楽園ホール（東京都）で指名挑戦者決定戦に挑む。対戦相手は同級３位のマーク・ジョン・ヤップ選手（29／フィリピン）。勝利すれば、ＷＢＡ世界同級王者の兄・尚弥選手（25）との兄弟チャンピオン誕生に一歩近づく。

　プロボクシングにおいて、チャンピオンは、世界王座団体が指名する挑戦者との指名試合を一定期間内に義務付けられている。今回の試合は、ＷＢＣ同級の指名挑戦者を決するもの。拓真選手が勝利すれば、悲願の兄弟世界王者への挑戦権を手にすることとなる。

　ここまで11勝（３ＫＯ）無敗の拓真選手。２０１６年の年末にＷＢＯ世界王座挑戦マッチが予定されていたが、右拳を負傷し中止に。療養に努め、怪我から復帰後は実績十分なベテラン勢との激戦を乗り越え、３連勝と着実に力をつけている。

　対するマーク・ジョン・ヤップ選手は、東洋太平洋バンタム級王座を３度防衛した実力者。通算成績は29勝（14ＫＯ）12敗。拓真選手が熱戦の末判定勝ちを収めた久高寛之選手（仲里義竜ボクシングジム）、益田健太郎選手（新日本木村ボクシングジム）にも勝利しており、日本人ボクサーには８連勝中だ。

　強敵との対戦に向け、拓真選手は今夏、兄・尚弥選手、従兄弟の浩樹選手（25）らと共に恒例の熱海合宿を敢行。階段ダッシュなどで下半身を徹底的に鍛え上げた。

　井上尚弥・拓真後援会の工藤元会長は「怪我から復帰後、ベテランとの試合で経験を積めた。兄弟チャンプ誕生を目前にした大事な試合。市民のみなさまの大きな声援をお願いします」と話す。

　チケットに関する問合せは同会事務局【電話】０４２・７５２・８９６８。